オホーツク酪農研究会 → 酪農講座
HOME
新発見・話題
研究成果
酪農講座
ミルちゃん
ワンポイント
Stuff
リンク
シリーズ「飼養管理から疾病・繁殖を考える」
飼養管理から疾病と繁殖を改善
飼料給与を改善する 第3回目
3
)新鮮な水が十分に飲めるように
@ 水が飼料の食い込みを
飼料を1kgでも余計に食い込ませるためには、欲しい時にいつでもきれいな水が必要である。牛乳の約87%は水分であることを考えると、1日乳量35kgの牛は約30Lの水を変換している。加えて、1日の糞量は50sにすると水分87%で43kg、尿15kg、呼吸などで約20kgである。つまり、1日の乳量が35kgで少なくても108kgの水分を体外へ排出していることになる。
しかし、農業者に飲水量を確認すると、エサに比べて水は関心度が低く、水量、水圧、水の清潔度に対する認識が低い。「たぶん飲んでいるのではないか」「水は出ていると思う」との答えが返ってくる。
現場で給水施設を調べてみても、人間側だけでなく牛側からみて意欲を失うことが少なくない。ミラーフオントは前面にボールがあるため飲みづらく、手を入れるとサイレージなどで異様な悪臭を放つ。
繋ぎ牛舎で見かけるウオタ―カップは丸くて小さいため飲みずらく、すぐこぼれ周辺を泥濘化する。最新式の連続水槽は比較的低コストで急速に普及してきたが、一部で水が汚染されているケースをみかける。飼料倉庫には効果が明確でないビタミン剤、栄養剤、添加剤を細かく検討していても、水については関心が薄い。なにか、「木をみて森を見ない」という諺が思い浮かべる。
1日の飲水時間帯は飼料給与時と搾乳時に多く、この2つの作業が集中する朝夕は飲めない牛が多い。特に水道管が細く水圧が十分でない農場は、この時間帯で水不足の状態に陥っている。注目すべきは濃厚飼料給与と搾乳作業が始まる前に、牛が飲水行動を始めていることだ。配管を太めにして水の供給量を増やしたら、牛が最も欲しがっている搾乳時に水を飲んでいることが確認できた。つまり、牛は水を飲みたい時ではなく、飲める時を彼女ら自身が判断実践していたことになる。
水は人間にとっても牛にとっても命を保障する必須要件で、体の水分を大量に失うことは致命的である。しかも、水と空気は自然界にあって、生産活動の上で最も安い栄養源である。
牛は水を飲みたい時に飲めないと、水だけでなくエサを食べることもあきらめてしまう。採食と飲水を交互に繰り返すので、飲む水量以上に水が出るという単純なことが極めて重要である。
A きれいな水をゆったりと
きれいな水の提供は「農業者が給水施設を掃除したい」という意欲をそそるシステムの構築だ。頻繁な洗浄を実践するためのキイワードは排水口の大きさ、排水手順、排水量、排水場所である。
第一に、排水口は直径5cm以上の大きさで、汲み出しの必要な容器でなく瞬時に水が抜けるようなものにする。工具を使わず、軽く棒を押すだけで一度に大量の水を流す水槽が望まれる。
第二に、水を飲むときの牛の顔は水面に対して直角でなく斜めに突っ込み、口は3〜4p沈ませ鼻は水面から出ていることが観察できる。給水施設は奥行きを広くとり、水深は5〜7cmほどで全体の水量を減らす。
第三に、汚れた水を交換する時はふん尿に混ざることなく、雨水と同じように別ルートで牛舎外へ流す。バンクリーナや横断通路など牛舎内部でなく、外部へ排水可能な給水器が推奨される
一方、水量があっても飲んでいる時に意地悪されたり、緊張した状態では十分な量を飲まない。水を飲む時きれいな水であるか、ゆったりしているかどうかは牛の行動でわかる。給水施設へ近づいた時、水とじゃれたり、周辺を窺ったり、休みながら飲む姿勢は問題だ。目的の給水施設へ行き大量の水をスムーズにゴクゴクと人間がビールを飲んでいるような姿が望まれる。
第一に、いつでも楽で自然な姿勢で水を飲めるように、給水施設周辺は逃げ場のある広いところへ設置する。床面は滑らない・凍結しない工夫が必要で横断通路は段差を少なくする。
第二に、給水施設は遠過ぎると回数が少なくなるので10頭にひとつ、数ケ所に分散すべきだ。足が痛かったり寝起きが不自由だと、水を飲みに行くのが億劫になり回数が減る。
第三に、給水施設は細長くし必要幅は1頭当たり.当たり5cmほどで、20頭対応するのであれば1mの長さが必要だ。高さは低過ぎるとふん尿が混入、高過ぎると喉がぶつかるので90cm程度にする。
著者が担当する酪農家できれいな水の重要性を訴えたため、パートの女性に水の清掃を毎日していただいた。その結果、わずかな時間と金で、飲水量と食い込み量が増え乳量にも好影響を示した事例がある。
第4回目へ
このホームページは
有志が集まり運営しています。メンバーはそれぞれ各団体・組織に所属していますが、あくまで個人の立場で参加しています。
従って、このホームページ上で公開している内容については、あくまで個人的な見解のものであることを御理解下さい。
また、メンバーの所属する団体・組織に関する正式な問い合わせなどについては、直接その団体・組織の窓口を通してお願い致します。
HOME
新発見・話題
研究成果
酪農講座
ミルちゃん
ワンポイント
Stuff
リンク