

タンホイザーは突然自分が、春の明るい日差しの中で牧童の吹く笛が響く美しい谷間にいることに気付く。そこで聖地ローマ巡礼の一行に出会うので、彼は祈りを捧げる。やがて遠くから角笛の音が聞こえ、狩の帰途の領主へルマンが騎士たちを連れて通りかかり、タンホイザーを見つける。彼らは長い間行方不明だったタンホイザーの帰還を喜び、中でも彼の親友ヴォルフラムは再び仲間に戻るように誘うが、ヴェヌスブルクでの快楽に溺れた罪の意識からタンホイザーは躊躇する。
しかしヴォルフラムから領主の姪エリーザベトがずっと自分を待ち続けている事を聞くと、彼女に対する愛を呼び覚まされ、ようやく城に戻る事を決心する。領主と騎士たちはタンホイザーと共に城への帰途につく。
合戦の課題が愛である事を厳かに宣言する。最初に立ったヴォルフラムは清らかな愛の尊さを歌うが<この高貴な集いを見渡せば>、妖しげな魔性に取りつかれたタンホイザーは、愛の本質は快楽だと反論の歌を歌う。騎士のワルターやビテロルフもヴォルフラムの側に立つと、感情を抑え切れなくなったタンホイザーは遂に快楽の女神ヴェーヌスを讃える歌を歌うので彼がどこでどんな暮らしをしていたのかが露見してしまう。貴族達はタンホイザーを激しく非難し、貴婦人達は驚き恐れて殿堂から立ち去ってしまう。騎士たちは剣を抜いてタンホイザーに迫るが、エリーザベトが必死に彼を庇い改悛の機会を与えるよう皆に懇願するので、タンホイザーも悔悟の念に目覚める。領主ヘルマンはヴェーヌスのもとで快楽の罪を犯したタンホイザーに対し、その罪を償う為に巡礼としてローマへ赴き、ローマ法王の赦免を得て帰国する事を命ずる。そこへ若い巡礼の一団が通りかかり、タンホイザーは"ローマへ!"と叫んで巡礼の旅に立つ。