シンデレラ
 このページでは、多くの方が子供の頃に読んだことがある童話を題材にしたオペラ、シンデレラをご紹介していきましょう。原題は、<チェレネントラ(灰にまみれた娘)又は善意の勝利>といい、薄倖の少女アンジェリーナがその心の美しさ故に幸せを掴むと云うオペラブッファの傑作です。原作ではカボチャの馬車やガラスの靴が出てきますが、オペラではガラスのブレスレットが使われるのみです。尚、このオペラの序曲もセビリアの理髪師同様、他の作品のものをそのまま使い回していました。そういえば数年前から若い女性の心理状態を表す言葉として"シンデレラコンプレックス"とか"シンデレラ症候群"と云う言葉が使われています。玉の輿指向とでも云うのでしょうか。又、作曲家ロッシーニに付いての概要は<此処をクリック>してもご覧いただけます。
       をクリックすると其々前後一ブロックのジャンプが出来ます>

*********************************************************************************
   作曲者 ジョアッキーノ・ロッシーニ
   作曲年 1816〜1817年
   舞台  イタリアのサレルノ近郊
   原作  シャルル・ペローの作品サンドリヨンから
   台本  ヤコポ・フェレッティに依る伊太利亜語の台本
 主な登場人物 
   アンジェリーナ  マニフィコ家の末娘
   ドン・マニフィコ 落ちぶれた男爵家の当主
   クロリンダ    ドン・マニフィコの娘
   ティスベ     同じくドン・マニフィコの娘
   ドン・ラミーロ  サレルノの王子
   ダンディーニ   王子の従者
   アリドーロ    王子の教師で哲学者
*********************************************************************************第一幕・第一場  ドン・マニフィコ男爵邸の居間 
 モンテフィアスコーネのドン・マニフィコ男爵には三人の娘がいるが、腹違いの末娘アンジェリーナはチェレネントラと呼ばれ、母親が亡くなってからは女中のようにこき使われていて、歌うことが唯一の楽しみになっている。意地悪な姉達に叱られながらもチェレネントラが独り歌を口ずさんでいると一人の乞食が物乞いに入ってくる<昔、一人の王子様がいました>。実はこの乞食の正体はサレルノの王子ドン・ラミーロの教師で哲学者のアリドーロが変装して、王子に相応しい花嫁候補を探して旅しているものだった。クロリンダとティスベの姉妹は乞食姿のアリドーロを追い出そうとするが、チェネレントラは彼にパンと飲み物を与えるので姉達に叱られる。そこに廷臣達が現れ、王子ドン・ラミーロが妃選びの為の舞踏会を開くと告げると、姉妹達廷臣にチップを与え、チェレネントラに手伝わせてパーティドレスの着付けを始める。チェレネントラがチップの半分でも乞食に上げればいいのにと云うと乞食姿のアリドーロは貴女に善い事が有りますようにと言って立ち去る。マニフィコ男爵が現れて姉妹の話を聞き<私の娘達よ>、このチャンスを利用して娘のどちらかを王子の妃にし、没落した我が家を立て直そうと目論む。三人が奥に去ると、今度はアリドーロの話を自分で確かめようと従者姿の王子ドン・ラミーロが登場する。王子に気が付き驚いたチェネレントラがコーヒーカップを落としてしまう。従者姿の王子はカップを拾ってやりながら、優しく彼女に話し掛けてはその悲しい生い立ちを聞いている内に二人の間に愛が芽生える。そこに従者ダンディーニが替え玉の王子の扮装で登場するので <四月の蜜蜂のように>、二人の姉達は大喜 びで廷臣達に護られて宮殿の舞踏会へ向かう。チェレネントラも先ほどの従者・実は王子に心引かれて舞踏会へ行きたいのだが父親のドン・マニフィコ男爵はそれを許してくれない。そこに王子と従者アリドーロもやって来て末娘も舞踏会に出すように勧めるが、男爵はあの娘は死んだとか、女中には仕事があるからと誤魔化してチェレネントラを連れて奥に入ってしまう。間もなくアリドーロが乞食姿で現れ、チェレネントラを励ましながら正しい者は報われると説き、私が貴女を舞踏会に連れていってあげようと言う。
*********************************************************************************
第一幕・第二場  王子の宮殿の一室 
 偽王子・実は従者のダンディーニがクロリンデとティスベの姉妹と腕を組んで入ってくる。彼はマニフィコ男爵を貴方は利き酒が出来る人だと煽てて酒蔵の番人に任命する。皆が立ち去ると、二人の姉妹は偽の王子に気に入られようとして浅ましく言い争って別れる。
*******************************************************************
第一幕・第三場 宮殿の大広間
 豪華な夜会で廷臣達に取り巻かれ、ちやほやされている男爵は酒蔵番になったと得意げに歌い、ご機嫌になリ大騒ぎをする。王子と従者は既に二人の姉妹を花嫁には不適格と言う品定めをしているが、そうとは知らず姉妹は争ってなおも偽王子の気を引こうと色目を使っている。其処へヴェールを被ったチェレネントラをアリドーロが連れて来る。王子は彼女の声を聞いてあの美しい娘だと分かり胸をときめかすが、何も知らない男爵と姉妹はヴェールを取った美しい娘が留守番をしている筈のチェネレントラに似ているのに驚く。皆が思い思いの気持ちを歌う重唱の中に幕となる。
*********************************************************************************
第二幕・第一場 王子の宮殿の一室
 男爵は不思議な美女の出現で苛々するが、姉妹のうちどちらが王子の嫁になっても王子の義父になれるのだと出世を夢見る。代わって王子が登場、あの美しい娘はドン・マニフィコの家で逢った娘に似ているが、もう一度声を聞いて確かめてみようとする。一方、偽王子のダンディーニもチェネレントラに好意を抱いてやって来るので王子は物陰に隠れる。ダンディーニはチェネレントラにプロポーズをするが、彼女は貴方より従者のほうが好きだと言って断るので、往時は物陰から姿を現し、アリドーロを証人として彼女に結婚を申し込む。しかしチェレネントラは片方の腕輪を王子に渡し、同じ腕輪をしている自分を見つけた時に気持ちが変わっていなければ、と告げて宮殿を去っていく。彼女の言葉に感動した王子は、必ず彼女を見つけ出そうと決意を述べて<必ず探し出してみせる>、従者に馬車を用意させる。マニフィコ男爵がやって来て、ダンディーニに是非娘を貴方の嫁にとせがむが、彼は実は偽の王子であり、本当は王子の従者だと言うので男爵は怒り出す。
*********************************************************************************
第二幕・第二場  男爵家の暖炉のある部屋 
 チェネレントラが何時もの汚れた身なりで歌を歌っている。そこに男爵と姉達が帰ってくるが、チェネレントラが何時ものようにしているので安心する。そして宮殿にお前とよく似た娘が現れたと言っては彼女に当り散らす。やがて外は嵐となり、家の外で馬車が転倒する音が聞こえる。馬車に乗っていた王子とダンディーニが助けを求めて近くの家に駆け込むと、其処の主人がドン・マニフィコ男爵なので二人は驚く。チェネレントラも従者とばかり思っていた人が本当は王子であることを知って吃驚する。王子はチェネレントラの腕輪を見て、彼女こそ探していた例の娘であると確信する。茫然としたマニフィコ男爵と姉娘達はチェネレントラを罵るが、彼女は王子に父や姉たちの許しを乞い、王子に伴われて宮殿に向かう。
*********************************************************************************
第二幕・第三場 サレルノの王宮の広間
 王子とチェレネントラの結婚式が行われている。二人の幸せを讃える合唱に続いて、父と姉娘達は居間までのチェネレントラに対する酷い仕打ちを侘びるので、彼女も父と姉達を優しく抱き、全員の祝福の中を王子に抱かれて玉座に上がっていく<悲しみと涙のうちに生まれて>。
*****************************************************************
お奨めディスク  
 
このページの始めでも触れましたが、原作と違ってオペラではガラスの靴やカボチャの馬車は出てきませんが、ガラスのブレスレットが小道具として出てきます。舞台の上で演じるには色々と制約があるためでしょう。偖、お奨めディスクですが、このオペラのように薄倖の少女がその心の優しさ、清らかさ故に最後には幸福になると云う作品ではヒロインの容姿がかなり重要といえるでしょう。また声楽技術的にも大変難度の高い歌唱を求められますので、才色兼備の歌手を得て初めて醍醐味が味わえる作品と言えます。と言う訳でお奨めディスクとしてはこのオペラを映画として作ったものを一つと劇場での公演をライヴ収録したものを一つご紹介しておきましょう。この作品を映画として作ったものは左上のジャケット写真にあるもので、映画ならではの楽しい工夫が施してあります。例えば第一幕・第一場の終わりのほうで、乞食姿のアリドーロがチェレネントラを励ましながら舞踏会へ誘う場面にロッシーニの彫像が活躍したりします。またヒロイン役に美貌の名歌手の誉れ高いフレデリカ・フォン・シュターデを起用しているのもこのディスクの大きな魅力になっています。劇場での公演をライヴ収録したものでは、やはり美貌の名歌手チェチーリア・バルトリがヒロイン役を歌っているディスクがお奨めです。今が旬の歌声を心から楽しむ事が出来ますので、機会がありましたらこちらのディスクも是非ご覧になる事をお奨めします。下にフォン・シュターデ盤の主な配役を列挙して置きましたので、ディスク購入の際の参考にしていただければ幸いです。
*********************************************************************************
主な配役
チェレネントラ   フレデリカ・フォン・シュターデ ソプラノ
王子・ラミーロ   フランシスコ・アライサ     テノール
従者・ダンディーニ クラウディオ・デズデリ     バリトン
教師・アリドーロ  ポール・プリシュカ       バス
マニフィコ男爵   パオロ・モンタルソロ      バス
クロリンダ     マルガリータ・グリエルミ    ソプラノ
ティスベ      ラウラ・ザンニーニ       メゾソプラノ
指揮        クラウディオ・アバード
演奏        ミラノ・スカラ座管弦楽団・合唱団
演出        ジャン・ピエール・ポネル



♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪


*