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 このページではモーツアルトの三大オペラの一つの「ドン・ジョヴァンニ」をご紹介していきます。このオペラは「フィガロの結婚」と同じくオペラブッファの形式で作られています。つまりカテゴリーとしては喜歌劇になるのですが、その内容はかなり陰惨なものが有ります。喜劇的な役回りはもっぱらドン・ジョヴァンニの従者レポレロが受け持ち、他の演者、特に主人公のドン・ジョヴァンニによっておどろおどろしい劇が進行していきます。何せこの主人公ときたら、ひたすら女を追いかけ快楽だけに生きている男で、権力をかさに従者をこき使い、口先で女を騙し、強姦もすれば殺人も犯す、極悪非道の色事師という人物設定ですから、モーツアルトを大変尊敬していたベートーヴェンが「ドン・ジョヴァンニのごとき不道徳な作品は許せない!」と批判したのもむベなるかなです。しかし、この主人公が仲々魅力的に見えるのは、やはりモーツアルトの音楽の力によるものでしょう。では主人公ドン・ジョヴァンニの放蕩児ぶりをお楽しみください。なお、作曲者の概要に就いては<ここをクリック>してもご覧いただけます。< をクリックすると其々前後一ブロクのジャンプが出来ます>
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 作曲者 ウォルフガング・アマデウス・モーツアルト
 作曲年 1787年
 舞台  西班牙のある町
 原作  ジョヴァンニ・ベルターティ「石の客」、ティルソ・デ・モリーナ「セビリア
     の女たらしと石の客」、モリエール「ドン・ジュアン」等を参考にしている 。
 台本  ロレンツォ・ダ・ポンテに依る伊太利亜語
主な登場人物
 ドン・ジョヴァンニ  好色家の貴族
 ドンナ・アンナ    騎士長の娘
 騎士長        ドン・ジョバンニに刺殺される
 ドン・オッターヴィオ ドンナ・アンナの恋人
 ドンナ・エルヴィラ  以前ドン・ジョヴァンニに捨てられた女
 レポレロ       ドン・ジョヴァンニの従者
 ツェルリーナ     結婚間近の村娘
 マゼット       ツェルリーナの婚約者
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第一幕・第一場  騎士長の邸宅の中庭 サミエル・ラミー(バリトン)
 ドン・ジョヴァンニの従者レポレロは、騎士長の娘ドンナ・アンナの部屋に忍び込んだ主人を待ちながら、その人使いの荒さに愚痴をこぼしている<夜も昼も休む間もなく>。 そこにアンナに追われてドン・ジョヴァンニが逃げて来て、その騒ぎを聞きつけて駆けつけた騎士長と決闘になるが、ドン・ジョヴァンニは騎士長を刺し殺して逃走する。アンナは恋人オッターヴィオにドン・ジョヴァンニへの復讐を誓わせる。
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・第二場 街道の夜
 
ドン・ジョヴァンニが騎士長の家から逃げてくると、何事か嘆いている一人の女に出会う<あぁ、誰が私に告げてくれるのでしょう>。かれは性懲りも無く女に声をかけると、以前捨てたドンナ・エルヴィラなのに吃驚して、あとをレポレロに押し付けて退散する。レポレロは主人の被害者は貴女だけではないと言って、ドン・ジョヴァンニの毒牙にかかった過去の女達の名簿を彼女に見せる<カタログの歌・奥さん、これが恋人のカタログ>。
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   ・第三場 村の広場
キャスリーン・バトルとサミエル・ラミー
 今宵結婚する村娘ツェルリーナと農夫のマゼットを祝って村人達が踊っている所へ、ドン・ジョヴァンニとレポレロが通りかかる。好色なドン・ジョヴァンニはツェルリーナを早速口説きにかかるが<互いに手を取り合って>、そこに現れたドンナ・エルヴィラは彼を激しく非難してツェルリーナを連れ去ってしまう<さぁ、この裏切り者を避けて>。ドン・ジョヴァンニが"今日はついていない"とぼやいているとアンナがオッターヴィオを連れて登場、彼女はドン・ジョヴァンニが父親である騎士長殺しの犯人とも知らずに、父親の仇討の加勢を彼に頼む。そこに再びエルヴィラが現れて彼を非難するので、ドン・ジョヴァンニは"この女は頭がおかしいのだ"と言い繕って彼女を連れ去るが、アンナはその声から彼が父親殺しの犯人である事に気付き、オッターヴィオは彼女の為に復讐を誓う<彼女の幸せこそ我が願い>。入れ違いにドン・ジョヴァンニが登場、レポレロから村人達をうまく館に連れ込み酒を振舞ったと言う報告を受けて、上機嫌にシャンパンの歌を歌って息巻く<酒がまわったら>。
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・第四場  ドン・ジョヴァンニ邸の庭先 
 
やきもちを焼くマゼットにツェルリーナが詫びて仲直りをしている所へ<ぶってよ、マゼット>、ドン・ジョヴァンニが現れて性懲りも無く彼女を口説こうとするが、マゼットに邪魔されるので何とかその場を取り繕う。夜になると、仮面をつけたオッターヴィオ、アンナ、エルヴィラが登場し、宴に招き入れられる。
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・第五場 ドン・ジョヴァンニ邸の大広間
 賑やかな宴の中、人々が酒によっている間にドン・ジョヴァンニはツェルリーナを別室に連れ込む事に成功するが、彼女に騒がれるのでレポレロを犯人に仕立てようとする。人々はドン・ジョヴァンニの小細工を見抜いて彼に詰め寄るので、彼はその場の混乱に乗じて逃げ出してしまう。
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第二幕・第一場 路上
 ドン・ジョヴァンニの乱行に愛想をつかしたレポレロは暇を願い出るが、主人の差し出す金に目がくらんでたちまち願いを取り下げる。ドン・ジョヴァンニは今度はエルヴィラの女中に目をつけ、レポレロに自分の服を着せてエルヴィラを呼び出し、外へ追いやる。そして彼はレポレロの姿をして窓辺でセレナードを歌うが <おいで窓辺に、可愛い娘よ>、そこに、マゼットがドン・ジョヴァンニを懲らしめようと村人達と共に現れるので、ドン・ジョヴァンニは従者のふりをして村人達を上手く言いくるめて立ち去らせると<半分はこちらへ>、ツェルリーナ誘惑の邪魔をしたマゼットをぶちのめして逃げ去る。マゼットは駆けつけたツェルリーナに優しく介抱される<恋人よ、さぁこの薬で>。
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   ・第二場  ドンナ・アンナ邸の暗い中庭 
 主人に化けたレポレロとエルヴィラがドンナ・アンナ邸に逃げ込んでいると、アンナとオッターヴィオに見つかってしまうが、レポレロをドン・ジョヴァンニと思い込んでいるエルヴィラは必死に彼を庇おうとするが、皆に問い詰められたレポレロはとうとう正体を明かし、隙を見て逃げ出してしまう。オッターヴィオはドン・ジョヴァンニがアンナの父親の殺害犯
であることを益々確信し、恋人の為に再び復讐を誓う<私の恋人を慰めて>。
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   ・第三場 再びドンナ・アンナ邸の暗い中庭
 独り残ったエルヴィラは、ドン・ジョヴァンニが好色な悪者と分かってもなお彼を諦めきれない胸のうちを歌う<何と言うふしだらな・・・あの恩知らずは約束を破り>。
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   ・第四場 墓地の中
 塀で囲まれた墓場に逃げて来たドン・ジョヴァンニとレポレロが互いの戦果を語り合っていると、突然厳粛な声が響いてくる。それが殺された騎士長の石像の声と分かると、ドン・ジョバンニはレポレロに、石像を夕食に招待させる。
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   ・第五場 ドンナ・アンナ邸の暗い部屋
 オッターヴィオは早くアンナと結婚したいと言うが、彼女はもう少し待って欲しいと答える<いいえ違いま・・私は貴方のもの>。
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   ・第六場  ドン・ジョヴァンニ邸の広間 パータ・プルチュラーゼとラミー
 ドン・ジョヴァンニが楽師の演奏を聞きながら夕食を楽しんでいる所へエルヴィラが現れて、放埓な生活を改めるように彼に頼むが、ドン・ジョヴァンニは全く取り合おうとしない。仕方なくエルヴィラは帰ろうとするが、戸口の方から彼女の悲鳴が聞こえる。様子を見に行ったレポレロが、騎士長の石像がやってきたと知らせる。現れた石像はドン・ジョヴァンニに改悛を厳しく迫るが、彼がきっぱりと拒否すると突然床が割れてドン・ジョヴァンニは地獄の炎の中に落ちていく。駆けつけたドンナ・アンナ達一同は、事の顛末をレポレロから聞くと、其々の思いをこめながら今後の身の振り方を歌って幕になる。
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お奨めディスク
 ここまで読み進んでみて、まぁなんと好き勝手に生きてきた奴が居た事かと、半分は呆れ、半分は羨ましくなってしまう管理人ですが、皆さんはどんな感想をお持ちでしょうか。この様な作品ですので演出家が様々な解釈を加えて、例えばドン・ジョヴァンニがハーレムに巣食う黒人のチンピラやくざと言う、唖然とするような設定のプロダクションもありますが、ここではオーソドックスにして格調高いディスクをご紹介していきます。カラヤン指揮ウィーンフィルハーモニーによるザルツブルク音楽祭でのライヴ収録盤と言うわけでこの作品のお奨めディスクとして1987年のザルツブルク音楽祭での公演をライヴ収録したものを取り上げたいと思います。このディスクは作曲者と同郷のカラヤンがウィーンフィルハーモニー管弦楽団を指揮したもので、出演している歌手達もカラヤンの数多いディスクや公演によく参加している面々が多く、とても充実したディスクに仕上がっています。このサイトでご紹介しているカルメンでのエスカミリオ役のサミエル・ラミーが主人公を、愛の妙薬やセビリアの理髪師に参加しているキャスリーン・バトルがツェルリーナを演じていますし、同じくセビリアの理髪師でお金に弱い音楽教師役を演じているフルラネットがレポレロを歌っていて、彼にとってはこちらのほうがよっぽどの適役かと思います。なお、このディスクの主な配役を挙げて置きましたので、購入あるいは他のディスクとの比較の参考にして頂ければ幸いです。
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主な配役
ドン・ジョヴァンニ  サミエル・ラミー      バリトン
ドンナ・アンナ    アンナ・トモワ=シントゥ  ソプラノ
騎士長        パータ・ブルチュラーゼ   バス
ドン・オッターヴィオ エスタ・ヴィンベルイ    テノール
ドンナ・エルヴィラ  ユリア・ヴァラディ     ソプラノ
レポレロ       フェルッチョ・フルラネット バス
ツェルリーナ     キャスリーン・バトル    ソプラノ
マゼット       アレクサンダー・マルタ   バス
指揮         ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏         ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
合唱         ウィーン国立歌劇場合唱団
演出         ミヒャエル・ハンペ



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ドン・ジョヴァンニ