日樹上人供養塔・備中法福寺・備中仏乗寺

日樹上人供養塔

「日樹聖人傳」
「絵で知る 日樹聖人伝記」より:
日樹聖人供養塔は備中黒崎屋守法福寺境内にある。
(但し、上記の両著とも「供養塔」ではなく「日樹聖人墓」とする。)

日樹上人供養塔1
日樹上人供養塔2:法福寺裏手に「日樹上人供養塔」「日仙上人墓」
 と「解読不能?な墓碑」とがある。
日樹上人供養塔3:左図拡大図
日樹上人供養塔4
 花崗岩製で総高6尺1寸(約1.85m)、形式は無縫塔。
  塔身5尺3寸、台石廻り4尺8寸高さ8寸。
 明暦2年(1656)、仏乗寺16世法成院日仙上人が、
 日樹上人第25回忌供養として建立という。
  ※裏銘:石塔造立之時節者明暦2年・・右本願仏乗寺日仙。・・・
 昭和37年殆ど忘れられていた「墓所」の整備が行われる。
 ※日仙上人は池上日樹上人の直弟子で法福寺を建立する。
日仙上人墓:日樹上人供養塔左にある。
 「妙法 中興開山法成院日仙霊 寛文7年(1667)3月27日寂」
 ※日樹上人供養塔右の石碑はほとんど判読できず不明。

長遠院日樹上人略歴

天正2年(1574)、備中国浅口郡黒崎村に生まれる。
天正19年、日樹18歳で、仏門に入る。師は仏乗寺日英上人。
 ※「天正10年第15代、妙智院日英上人、住す。池上本門寺日樹上人の師にあたる。慶長16年遷化」
    :黒崎村屋守仏乗寺「過去帳」
下総飯高檀淋に学ぶ(当時の化主は蓮成院日尊上人・後に池上13世)。
文禄3年(1594)江戸土冨店長遠寺を創建する。(「土冨店長遠寺略縁起」)
 ※但し、創建は年代的にはもっと後年と思われる。
下総飯高檀淋、中村檀淋の能化となる。
元和5年(1619)池上本門寺・比企谷本門寺貫主となる。
  →池上本門寺
  →池上本門寺日樹上人五輪石塔・元和元年十一重層塔・寛永3年十一重層塔
寛永7年(1630)身延池上対論(身池対論)。
同年、幕府は六僧に以下の申し渡しを行う。
 池上日樹信濃伊奈に御預け、徒党の出家衆は追放、日奥は対馬へ流罪・・・などが申し渡される。
  ※徒党の出家とは:中山日賢は遠州横須賀、平賀日弘は伊豆、小西日領は奥州相馬、
   碑文谷日進は信州上田、中村日充は奥州岩城に追放。
  ※日奥流罪は死後流罪と云われる。
 「身池対論」についての概要は下記のサイトを参照。
  「不受不施派『身池対論』」:日蓮宗不受不施派信者である「正之」氏作成ページ
寛永8年配所にて寂す。年58。
 信濃飯田の日樹上人墓所
  上記、「不受不施派『身池対論』」に日樹聖人の墓所(信濃飯田)の写真 を掲載。
   ※信濃飯田羽場元山白山社権現堂境内にある。五輪石塔<寛永20年(1643)日樹上人>
     13回忌に仰円院日利上人建立と云う。

備中法福寺

「大覚大僧正と三備開基寺院」より:
「元和年間、仏乗寺第16世日仙上人、法議に異論を強張して、自ら建立するものなり。其の際仏乗寺宝物、覚師御本尊を手にして此に転住して其の立義を主張す。寛文年間時の領主より法論の停止を命ぜらる。・・・・」「当山の歴代は殆ど仏乗寺歴代上人の兼務する所なり。」
開基:大覚大僧正
2世:光乗院日仙上人(仏乗寺16世)、日樹上人25回忌に当り、明暦2年供養塔を建立。
7世:日要上人、安永10年、日蓮上人500遠忌塔建立。

 ○法福寺全景
但し、堂宇は一宇のみで、おそらく本堂と庫裏とを兼用したものと思われ、簡略な建物である。
仏乗寺に向かって右のやや上檀に位置する。門や塀なども無く、恐らく仏乗寺境内を割譲して建立したとも思われる場所に位置する。
法福寺裏の竹薮の一画に日樹上人供養塔がある。
写真右の石塔が「日蓮上人500遠忌塔」である。
 ○日蓮上人500遠忌塔1:「奉冩五百御遠忌砌 當山七世日要」
 ○日蓮上人500遠忌塔2:「安永10年(1781)正月13日」
   ※この石塔の向かって左の笠塔婆(明和4年<1767>年記)は信者の墓と思われる。

備中仏乗寺

「大覚大僧正と三備開基寺院」より:
文和元年(1352)大覚大僧正、真言宗の寺を改修し創建す。
天正年中の兵乱で、宝物等分散、大破せしを、元禄年中当山18世円行院日融上人により中興開基せるものなり。
開基:大覚大僧正
2世〜5世;備後粟根妙永寺より住職す。
15世;明智院日英上人、天正10年来住、池上本門寺日樹聖人の師、慶長16年化。
16世:光成院日仙上人、池上日樹直弟子、慶安の頃祖父氏に法義の異論を唱へて、時の領主水谷候之を停止す、師自を其の傍に一宇を建立し、当寺の什宝覚師御本尊を手もて移る、今の法福寺之なり。

 ○仏乗寺全景:本堂及び庫裏、右端に少し写 る堂宇が法福寺。
  仏乗寺は数年前より無住の由であるが、現状はさほど荒廃はしていない。近所で管理している関係者を尋くも不明。
 ○仏乗寺本堂:山門・塀なども無く本堂・庫裏・庭などのみ がある。
 ○仏乗寺題目石(大覚大僧正):入口石段脇に建つ。
 ○仏乗寺題目石2:仏乗寺入口に至る道の正面の境内地に建つ。
 ○山奥題目石:黒崎から山奥・郷戸経由仏乗寺に至る路傍( 字山奥)にある。