What's TOEIC®

TOEIC®が試すもの | TOEIC®受験の目的 | TOEIC®とは何か

TOEIC®が試すもの
 TOEIC®は、受験者のどんな能力を試そうとしている試験なのか。試験形式を検証しながら考えてみます。

 パートIは、写真を見ながら、四つの英文を聞き、正しく状況を説明しているものを選ぶ問題です。求められる能力は、英文を聴き取って、正しく内容を理解する能力です。ナチュラルスピードの英文を聴き取ってそのまま内容を把握できる能力が求められます。単語ひとつひとつの聴き取りでなく、一文単位で聴き取れる(理解できる)ことが必要です。

 パートIIは、英語の質問を聞いたあと、続いて読まれる三つの英文から最初の質問の回答になっているものを選ぶ問題です。唯一、問題、解答の両方を聴き取る必要がある(問題文が何も記されていない)パートで、当然のごとく私は一番苦手にしています。聴き取る質問は、すべて日常的に交わされるような話題(TOEIC®の性格上、ビジネスに関係する話が多い)で、多くは二、三秒程度の短いものです。質問が読まれた直後に三つの選択肢が読まれます。求められる能力は、即応性と状況予測力です。最初の質問を聴いてすぐに質問の内容を把握し、状況を判断できなければなりません。誰が誰に対してどんな状況で質問しているのかを即時に判断し、回答の方向性を予測する必要があります。すぐに答えが読まれますので、ゆっくり考えている暇はありません。これは実際に一対一で会話する状況を模したものと言えます。私の体験ですが、アメリカ人に質問され、しばらく(五秒くらい)考えていると「私の質問の意味がわかる? 聴き取れなかったの?」と言われたことがあります。「その質問に答えられるだけの十分な情報を持ち合わせていないんだ、なぜなら、こうなので。だから答えられないんだ」と説明しましたが、つまり、アメリカ人は、質問されたことに(あるいは普段の会話でも)即答できない人は、言葉は悪いですが無能と考える度合いが日本人よりはるかに強いようです。沈黙はマイナスに働きます。そういった性質を反映したパートであると言えます。加えて日常会話表現の知識を問われます。会計学のテキスト(過去問?)で英語を勉強した作者の苦手な分野です。

 パートIIIは、二者間での短い対話(A-B-A形式)を聴いて、その対話についての質問に答えます。パートIIと異なり、質問と選択肢は問題中にすでに書かれています。求められる能力は状況の把握能力、特にパートIIよりも細かい部分までを正確に聴き取る能力と全体を大きく把握する能力です。締め切りは何時か、といった細部について問われることもあれば、どこでこの会話は行われているのか、という場合もあります。

 パートIVは、ある程度の長さのメッセージやアナウンスを聴き取り、それに対応した質問に回答します。問われているのは的確な内容把握力、聴き取った内容の整理力などです。ある程度の長さの文を正確に聴き取るためには、要点を掴む力、あるいは英語の論理展開についての知識も必要です。それに加え、パートIII、IVではかなりのリーディング力(速読力)が要求されます。一目見て問題と選択肢を読み取れなければ、間に合いません。

 尚、パートIII、IVでは設問の英語による読み上げも行われます。

 TOEIC®のリスニングセクションで問われているのは、英文を聴き取ってその内容を理解する能力です。英語によるコミュニケーション能力の前提となる力です。発音は米国・英国・カナダ・オーストラリア(ニュージーランドを含む)の発音がそれぞれ25%ずつを占めます。

 パートVは、英文中の空欄にあてはまる語句を選ぶ問題です。パートVIは、長文中の複数の空所に単語を補充する問題です。いずれも文法と語彙の知識が求められます。同じ問題の形式で、文法を問う場合(前置詞や時制など)と文全体の意味からそこにあてはまる意味を持つ語を選ぶ問題、さらにはよく似た意味を持つ類似語の使い分け(語彙)なども出題されます。

 パートVIIは、メモ、手紙、記事といった多種多様な日常英語の文章を読んで、それに関する二、三問の質問に答えます。問題のほとんどは英文の一部を読めば答えられるようなもので、ここで求められているのは、必要な情報だけを正確に把握する能力です。大方の受験者の読解スピードでは、何度も繰り返して英文を読む時間はないはずですので、日常的な易しい英文の斜め読み(スキミング)ができるかどうかを試していると言えます。

 文法は重要です。文法なんか気にしなくともよい、通じればそれでいい、的な考えを持っている方がおられるようですが、通じるとコミュニケーションができるというのは別問題です。われわれ日本人が、けっして「てにをは」を誤用しないのと同じく、ネイティブが時制などを誤って話すことは決してありません。文法的に正確に話します。正確な文法を使えることは、書く英語のみならず、会話におけるコミュニケーションにおいても重要です。つまりは、リーディングセクションでも、英語でのコミュニケーション能力を測っているのです。

 よくTOEIC®はビジネスに関する英語であるといった言われ方をすることもあります。英検やTOEFLなどと比較した場合には、確かにTOEIC®の一側面を現しているかもしれません。しかし、それはTOEFLがその目的上、学術的な英語を試すのと比較すれば、TOEIC®は日常生活シーンに近い分、ビジネスに関するところが多く感じられるというだけで、特にビジネス上の専門用語などが頻繁に登場するわけではありません。たとえば英語圏の(仕事なんて未経験な)中学生がTOEIC®を受験した場合、おそらくはそれなりのスコアを残すと思います。
 まとめると、TOEIC®は日常的な(標準的な)英語を用いて、英語によるコミュニケーション能力の素地を測る試験です。高度な英語や専門知識を問うわけではありません。知識より技能を試す、と言えるかもしれません。

 従来のTOEIC®ではリスニング・リーディングそれぞれについての合計点しか示されませんでしたが、2006年5月の第122回公開テスト以降の新公式認定証にはリスニング・リーディングそれぞれについて各項目別の正答率、その回の受験者全体の平均正答率が表示されます。

 ただ、やはり語学の能力をペーパーテストで測ることには、最初から限界があることは認識しておく必要はあると思います。TOEIC®のスコアはあくまで合理的な範囲で便宜的に受験者の持っている能力の一部を示しているに過ぎない、というくらいの心積もりでもいいのかもしれません。

TOEIC®受験の目的

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