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企画の立て方・作り方8

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1.企画は3つの問い直し
2.問題意識をどう掘り下げるか
3.「問題」を「課題」にする

4.「課題」をどうテーマに落とすか
5.テーマの検証からコンセプトへ
6.コンセプトは企画の“へそ”である
7.コンセプトをつくる
8.コンセプトのプロファイル化
9.コンセプトの実現手段を煮詰める
10.コンセプト実現手段の具体化手順
11.企画構想をまとめる
12.行動計画を練り上げる
13.企画にまとめる

12.行動計画を練り上げる

 「実現構想」の具体化とは,「基本構想」を実行するための,具体的な行動プランを練り上げることである。それには,

企画そのものの進行プラン(誰と誰が,いつからいつまで,どういうステップで,どういうやり方で,どういう手順で,といった個々の進行スケジュール)

進行プランのシミュレーション(実行上にどういう障害と妨げがあるかを分析し,どういう仕掛けと段取りで実行できるようにもっていくかといった,現実化への詰め)

 の2本立てが必要である。

●実現へのシナリオ(実施計画)づくり

 実行のスケジュールづくりといっても,単なる日程調整ではない。目標実現に向けて,「ヒト・モノ・カネ・トキ・チエ」をどう分担・調達し,その制約の中で,いつからいつまでに,どういう手順とステップですすめていくのか,という“行動シナリオ”づくりである。

 @計画具体化のための5W3H

 何のために(目的)

 何(と何)を(目標=期待される成果)

 誰(と誰)が(実行主体,共働者,協力者)

 いつ(からいつまで)に(期間,期限)

 どこ(とどこ)で(担当部署,実施場所)

 どういう手段と方法で(実施の道具,手立て,使用資源)

 どういう手順とステップで(実施の段取り,スケジュール)

 どれくらいの予算・コストで(必要な経費)

 A具体化の鍵となる3つのキーポイント

 ・どういう手段と方法で(実施の道具,手立て,使用資源)

 ・どういう手順とステップで(実施の段取り,スケジュール)

 ・どれくらいの予算・コストで(必要な経費) 

 計画具体化の鍵は,この3つである。行動の具体性を保証してくれるのは,何を使うかの道具(使用できる資源)の実現可能性である。ここをどれだけ検討するかによって,スケジュールとコストは決まる。逆に,スケジュールとコストが限定されれば,選択できる道具(使用できる資源)は制約される。

 B目標達成へのスケジューリング

 目標到達に必要な作業ステップ全体を分解し,予定期間の中で配分し,それぞれ期日の中で,いつまでに,何(どういう作業段階)がどれだけ達成されていなくてはならないかが,スケジューリングされる。

 立てた目標をどう達成するかは,それを現実化するための手段(方法)をどれだけ具体的にブレイクダウンできるかどうかにかかっている。もしも目標達成に問題があるとすれば,

・設定した目標そのものが現状を踏まえない非現実的なものであった。

・目標達成へのプランニングで,手持ちの手段・資源の見積りを高めに見誤った。

・目標達成へのプランニングにおいて,手段具体化,手順化の詰めが甘かった。

・目標達成のプランニングにおいて,日程見積もりのスケジューリングが甘かった。

・目標達成のプロセスにおいて,チェック,軌道修正の指導が不十分であった。

・見通しが甘く,予期しなかった障害が発生し,立てた計画の進行が大幅に狂った。

等々である。これを防ぐには,次の3つの点が重要となる。

イ)それを達成(実現)するために何をしたらいいか,そのための方法にはどんなものがあるかを,具体的,多角的に洗い出す

ロ)手段選択の優先順位を立て,手順化する

ハ)実施上予測される障害をできるだけ洗い出し,あらかじめ予防策を考えておく

つまり,次の点のチェックが不可欠となる。

 @目標達成のための手段選択に誤りはないか

 A選択手段の優先順位(手順化)に誤りはないか

 B手段選択と手順化を実践していく力の見積もりに誤りはないか

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C計画を確実にするためのプランニング上のキーポイント

 計画を確実にする,要は2つである。

 ・第1は,“優先順位(手順化)”

 実行計画の“絶対必要条件”(この計画に不可欠な条件)と“希望条件”(できればほしい条件,あればいい条件)を洗い出し,これを基準に手順化する。

 ・第2は,“予防対策

 計画全体の要となる“クリティカルポイント"(これが崩れると計画全体が意味をなさなくなる重大領域,複雑で困難が伴う箇所,他部門との関わりがある部分,未経験の部分等)を抑え,そこで発生する可能性のある障害をあらかじめ予測し,考えられる原因を推定し,対策を(できれば発生したらどうするかも)立てておく。さらにできれば,それでも発生したときの対応手順(どんな時に,どういう対応をするか)を決めておく。

 以上の「実行構想」は確実に実行できなくては“行動プラン”としては不充分である。行動計画が確実に実行できるようにするためには,既に部分的には触れたが,進行プランのシミュレーションを試み,「企画構想の現実度」構想実現のハードル」をチェックすることによって,実行の確実性を確保する工夫がいる。これが,ペーパープランにとどまるかどうかの別れ道である。

●「企画構想の現実度」をチェックする

 企画構想の現実度をチェックするには,2点の検討が必要である。

 @組織の活動領域(ドメイン)との適合性

 ・目的/方針に反していないか

 ・これまでの活動・活動領域・チャンネルと競合(矛盾)しないか

 ・既存の活動と相殺することはないか

 Aフィージビリティ(実現可能性)の検討

・市場性(本当にその池には魚がいるか,既に競合はないか,あるとして勝てるのか)

・技術性(開発技術,実行スキルの見通しはあるか)

・組織性(人材はあるのか,決裁の見込み,誰が決裁の責任者か)

・財務性(この投資に見合うのか,採算が合うまでの期間は?)

・環境性(このことがもたらす環境への影響は,マイナスはないか)

・社会性(狭い業界や特殊領域の常識が社会の非常識ということもうる。特に日本の常識が国際社会での非常識にならないようにすることは不可欠)

・安全性(ISO等の国際標準に照らすことが絶対に必要となるが,それに反してでも絶対的基準は人間の生命第一に考えること)

フィージビリティチェック

チェック項目

予測される要因とそのマイナス面

その見通し

評価

市場性

技術性

組織性

財務性

環境性

社会性

安全性

     

●「構想実現のハードル」のチェック

 いわゆる“リスク分析”である。これは,あらかじめ,遂行上予想される阻害要因,障害を,どれだけ多角的にリストアップできるかが鍵となる。ここでも,バラバラ化のツールは有効である。前にも触れたが,その場合,「もし,こうなったらどうする」「もし,条件がこう変わったらどうする」等々,一定の仮説を立てては,その可否を検討するというのが実際的である。

リスク分析

遂行上予想される問題

   予防対策                            実行可能性

発生時対策
 

 

 

 

     

 予想される「問題」に対しては,

予防対策(重大な問題が発生しないように予め原因を除去したり,発生を押さえる対策を立てておく)。それが万全とはいえないのが現実だから,その場合は,

発生時対策(万一重大問題が発生した場合にあわてないように,予めどうするかを準備しておく)

 いわゆる報連相といわれるものが本当に必要になるのは,こういうときである。緊急時の連絡方法,連絡先,判断基準を明確にしておくことである。できうれば,

代替案の用意(代わりとなる施策,対案を,あらかじめ検討しておく)が,のぞましい。

 以上の,「企画構想の現実度」「構想実現のハードル」のチェックをして初めて,企画構想はペーパープランではなく,企画案となるのである。「企画」が「提案」と決定的に違うのは,ここである。提案は,解決案(アイデア)が提示されるだけで,実施プランを伴わない。従って,

 ・解決案の厳密な適合性は検討されていない

 ・実施計画がない

 ・解決策のフィージビリティ,リスク分析はなされていないのである。

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13.企画にまとめる

 「企画構想」を行動目標に具体化したところで,既に「企画づくり」作業は終わっている。後は,それを,誰に,どう説明して,具体的なGOサインをもらうかであり,そのための作業が,「企画書」づくりであり,プレゼンテーションである。むろん,それをないがしろにする気はないが,「企画をつくる」ことと「企画書をつくる」こととは,別の作業である。確かに,厳密に言えば,どちらも企画実現のためのハードルであることに間違いはない。「企画書」にして初めて企画づくりの目的は完結するのかもしれない。

 しかし,ここでは,企画づくりを職業とするプランナーを念頭には置いてこなかった。あくまで,自分の業務の中での問題意識を企画というカタチにすることを中心に考えてきた。なぜなら,そうした問題意識をカタチにすることこそが,主体的な仕事の仕方だと見なしているからだ。だから,コンペの中で専門的なプレゼンテーションをすることを前提にした企画書づくりとは一線を画したい。ましてや,昨今,マイクロ・アウトソーシングとして,「企画書づくり」そのものをプロにアウトソーシングする時代なのだ。

 したがって,今回は,企画書づくりは最小限にとどめ,主眼を,(自分の)「企画をどう評価するか」において,まとめてみたい。

●1頁企画書

 ここでは,シンプルな「1頁企画書」を例に,企画書に何を,どうまとめるべきかの骨子を整理しておきたい。それに,どういう化粧ほどこし,どう衣装を着せるかは,プレゼンテーションのTPOに応じた額縁づくりの問題にすぎない。

 さて,では「企画書」表現のポイントは何か。これは,文章や講演等々と同じく,自己表現技術の基本であるが,次の3点に整理できる。

 @訴求点の明確化

 書式にこだわらず,自分たちが何にウエイトをおいて企画(のカタチ)にしたのか,が明確に相手に伝わるように(それがオーダーした上司や顧客の求めた課題や問題意識への,自分たちの解答),企画のポイントをクローズアップするように,工夫する。

 A重要点の強調

 一目で,企画者の意図を伝えるには,的確な図解が効果的である。様式にとらわれず,イラスト,図表によって要約する工夫がいる。

 B表現方法の工夫

 文章も,等しく書くのではなく,強調点,ポイントとなる箇所を,大きくしたり,カラー化したりする工夫が必要となる。

 いずれにしろ,何を解決(達成)しようとして企画したのかを明確にすることが出発点であり,到達点となる。それを強調するのが,表現技術上の工夫であるが,技術で企画内容は糊塗できない。企画書に書くのは,「企画内容そのもの」であり,そのためには,誰に対して(自分たちの立場,提案相手),何のために(目的),何を(目指す目標),どうする(企画実現の方法,具体策)を,明確にすることこそが肝心である。

1頁企画書

年  月  日

宛先】                             

                

テーマ》                  

1.企画課題(目的)

2.企画構想

2-1 企画のコンセプト

 

2-2 企画構想の概要(何を,どんなふうに実現するか)

 

 

 

3.企画の狙いと効果(誰に,どんなメリット/満足があるか)

 

4.企画実施の詳細(誰が,何を,どこから,ど゜んな手順ですすめるか)

 

5.作業スケジュール(誰と誰で,いつからいつまでに)

6.予算概要(収支見積もり)

(星野匡氏作成のものに加筆)

●企画をどう評価するか

 企画の評価は,いうまでもなく,企画書のでき映えやプレゼンテーションの仕方に対してではなく,あくまで企画の中身に対しておこなう。

 まず大前提は,「そもそも,それは企画に値する課題だったか?」ということである。主観的な思い入れは大事とはいえ

 ・それがあることに,どんな意味(意義)があるのか(何をするものなのか)?

 ・(それが「ない」より「ある」方が)どんなメリットがあるのか?

 ・いまあるもの(こと)に比べてどんなプラス効果があるのか?

 ・一体,誰のためのものなのか?(誰が喜ぶのか)

 ・それがあると,企画者は本当に自分でも買うのか(使うのか)?

 は,最低限の第一関門である。もちろん,この世の中でたった一人の姪のためにだけ書いた『不思議の国のアリス』のような例が,ないわけではない。しかし,それにしても,誰のためにもならない企画は,そもそもの目的を見失っているとしか言いようがない。

 この関門をクリアした上で,評価のベーシックとなるのは,

 ・企画は,課題(企画の目的)を達成できているか(えようとしたものはえられたか)?

 ・コンセプト(達成基準)との整合性はあるか(狙った的を射ているか)?

 ・リスク分析,実現可能性分析はきちんとできているか(ペーパープランではないか)?

 である。これが,第二関門となる。

 ただ,この場合注意しなくてはならないのは,企画づくりという枠組みの中だけでの整合性だけでは,企画の正当な評価はできないということだ。たとえば,問題意識⇒課題⇒テーマ⇒コンセプト⇒コンセプトの具体化⇒実現プラン等々という企画づくりの流れをきちんと踏まえたとして,下の「着眼点リスト」のように,それぞれはきちんとクリアしたとする。

企画着眼点リスト

 @その「問題」は取り上げるに値いするのか? → 問題意識(の「問題」にしたこと)は的外れか?

      ↓ (問題が的を射ていたとしたら)

 Aその「課題」の絞り込み方は的確か?  → それで問題意識(が問題にしたこと)を解決するか?

      ↓ (課題が的確だったとしたら)

 Bその「テーマ」への落とし方は妥当か?  → それで課題(が解決すべき「問題」)を解決するか?

      ↓(テーマが妥当だったとしたら)

 Cその「コンセプト」のつくり方は鮮明か? →  それでテーマの達成「水準」を絞り込めたか?

      ↓(コンセプトが鮮明だったとしたら)

 Dその「アイデア」のカタチは最善か?  → それでコンセプトの「目標」水準を解決しているか?

      ↓(アイデアが最善だったとしたら)

 Eその実現プランは現実的か? →  それでアイデアの達成成果をきちんと実現できているか?

      ↓ (プランが現実的だったとしたら)

 Fそのリスク,実現可能性の分析は精確か? → それでプランの現実性は裏づけられているか?

      ↓  (リスク,実現可能性の分析が精確だとしたら)

 G企画の実現性は高い →  企画作業に漏れも手落ちもない

      ↓

 H現実に「問題」かもしれないが,企画にするほどのことではない/企画のカタチにはなっているが,どこにも新しさも面白さもない

 しかし,それが,企画そのものとして「面白くもおかしくもない」ということがありうるのである。もしそうだとしたら,出発点へ戻って,そもそも「何のために企画したのか」が問い直されなくてはならない。もともと「現状」への問題意識,つまり現状のままでいいのか?という問いから始まったはずである。いわば,“変化”をキーワードとしていたはずなのである。既に述べた企画の「3つの要件」でいう“新しさ”とは,企画の出発点であり,前提にしなくてはならない。

 その上で,漸く最後の関門,「企画」そのものの是非が評価可能となる。その基準は,

評価基準

採点

・新しさ(新鮮度)はあるか?
・必要性(実用度)はあるか?
・面白さ(魅力度)はあるか?
・実現性(現実度)はあるか?
・有効性(実効度)はあるか?

 

 である。評価項目は細分化すればきりはないが,この5つが,評価の基本となる。中でも,企画の“新しさ”が機軸となる。技術的に新しい,使い方が新しい,使い手が新しい,使い道が新しい,目的が新しい,意味や価値が新しい,カタチが新しい,色が新しい,顔が新しい,デザインが新しい,売り方が新しい,買い方が新しい,価格が新しい,存在が新しい,利便性が新しい等々,新しさとは“変化”である。変化があってこそ,面白さを感じ必要性が生まれる。企画は“変化”を起こし,“変化”を感じさせなくては,意味がない。実効性は経験則のない「新しい」ものには効かない。実現性はやりよう次第で,いくらでも可能なのである。やはり「企画」は,一にもニにも「新しさ」である。

「企画の立て方・作り方」了

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