☆流星のもと
 太陽系は、太陽を中心に、地球などの惑星、惑星に従う月などの衛星、彗星や小惑星などで構成されているのはご存知と思います。しかし、そういったちゃんとした天体でない、ごく小さな物質も、多数浮遊しています。これらをまとめて、惑星間物質と呼んでいます。
 惑星間物質のうち、小さなものは黄道光物質、大きなものは隕石物質といわれ、その中間部分、小は1000分の1ミリから、最大で1トンくらいのものを流星物質と呼んでいます。この流星物質が、地球の引力に引かれ、あるいは地球が、流星物質の浮遊しているなかを通過することにより、大気圏に突入し、発光する現象を流星というのです。
 流星物質のうち、1センチ以下のものが普通、流星と呼ばれるものになり、それ以上のものは火球(かきゅう)になると考えられています(火球や隕石については、別に項目を立てて説明することになるでしょう)。大きさの違いだけでなく、流星と火球・隕石には、本質的な違いがあるのですが、それも別の機会に。
 流星物質の主成分は、スペクトル分析から、ケイ酸塩であろうと推測されています。
☆流星はどうして光るの?
 天文に関するごく初歩的な解説書(大人向けでも子供向けでも)には、だいたい流星なんてのは、ほんの1〜2ページしか取り上げられません。そこで、流星がなぜ光るか、ということについて、決まって次のように書いてあります。「宇宙に浮遊するチリが、地球の大気に突入し、大気との摩擦で高温になって発光する」と。しかし、残念ながら、それでは正しい説明になっていません。
 確かに、大気との摩擦でかなりの高温になるのですが、数ミリにも満たない物質が発する光エネルギーなど、たかが知れています。
 流星が発光を始めるのは、大気圏のうちの電離E層と呼ばれる部分(あとで説明します)です。この部分に流星物質が突入すると、流星物質は温度が上昇し、蒸発して原子まで壊れ、発光します。このとき、流星の周りの気体が高温のために電離(原子や分子が電子を放出、またはとりいれてイオンになること)するのですが、電離層では空気が希薄なため、一度電離した原子は簡単には再結合せず、電離気体(プラズマといいます)が残ります。そして、イオンが再結合する過程で出す光が、筋を引いたように見える光、つまり「痕(こん)」になって我々の目に見えるということなのです。
 ・・・ちょっと分かりにくい説明ですが、つまり、流星とは、流星物質という粒そのものだけではなく、その周囲の気体が電離分解・再結合をすることによって発光する現象だということなのです。この原理を応用したものとして、身近には蛍光灯やネオンサインがあります。蛍光灯は、フィラメントから発せられた熱電子を水銀原子に衝突させることによって生じたエネルギーを紫外線として放出、管内の蛍光物質に照射されることによって、可視光に変えているのです。
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