☆北辰妙見信仰の系譜 3
(5)神道と天御中主神
神棚に祀られた護符 最後に、神道と北極星の関わりについて少しみていきたいと思います。降松神社の主祭神は現在、天御中主神(あめのみなかぬしのかみ)です。天御中主神は、天地初発のときに高天原(たかまのはら)に最初に出現した神で、天中央に位置し、すべてを支配する神とされています。天御中主神こそ、神道における北極星を神格化したものなのです。
 しかし、記紀(古事記・日本書紀)などに名前だけ出てきて活躍が記載されていないことから、日本古来の祭祀・信仰に淵源するものではなく、やはり中国の道教の影響で成立したとする説が有力です。残念ながら、我が国にはすべてのものを統べる神という概念は存在しなかったのでしょう。
 なお、宝永5年(1708年)に出版された『鎮宅霊符縁起集説』には、北辰尊星は、神道では国常立尊(くにとこたちのみこと)となっており、興味を引きます。
写真:降松神社氏子の神棚に祀られた護符。「妙見本宮」の文字が見える。


そういうわけで、北極星とその信仰について、ざっと概観してみました。本当は、妙見菩薩の御利益譚なんかも取り上げると面白いのでしょうが、別に妙見信仰を広めるのが目的ではないので、割愛しました(目がよく見えるようになるそうです。「妙見」という字から連想されたものでしょう。そう言う私は、少し近視ですが)。
また、陰陽道には星宿など、面白い星の信仰があり、そういうのも大変興味があるのですが、話の本筋からずれるのと、他にもっとすばらしいホームページをつくっておられる方がいらっしゃるので、やめました(リンクのページ参照)。
☆参考文献☆

妙見さま  杉原孝俊 著  妙見宮鷲頭寺
妙見菩薩霊応編  矢富巌夫 現代語訳  妙見宮鷲頭寺
陰陽道の本  ブックス・エソテリカ 6  学習研究社
密教の本  ブックス・エソテリカ 1  学習研究社
日蓮の本  ブックス・エソテリカ 5  学習研究社
安倍晴明  藤巻一保 著  学習研究社
日本神話事典  大林太良・吉田敦彦 監修  大和書房
下松市史  下松市史編纂委員会
山口県地名考  高橋文雄 著  山口県地名研究所
山口県百科事典  大和書房
世界大百科事典  平凡社
流星観測ガイドブック  日本流星研究会 編  誠文堂新光社

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