第5章 建物の構造
その8 金属を使った屋根



名古屋城天守


銅瓦の拡大写真(名古屋城)

〜 銅瓦(名古屋城の場合) 〜

 名古屋城天守は金のシャチホコも見事ですが、緑青色の屋根も鮮やかできれいです。

 この緑青色の屋根が銅瓦です。基本的な構造は先に紹介した鉛瓦と同じく、木製の屋根瓦に0.5mm程度に薄く延ばした銅板を張り付けていきます。

 鉛板(1.8mm)と比べて薄く延ばしているのは、鉛よりも銅の方が硬い金属(鉛の硬度1.5程度に対して、銅は3.0)であるためで、あまり厚くすると加工しにくくなってきます。
 しかし鉛よりも腐食しにくいため、屋根材としてはより優良な材料といえます。

 銅瓦は家康の隠居城として築かれた駿府城の天守(1607〜8年頃)に初めて用いられたといわれています。
 その後、家光の築いた江戸城天守や徳川秀忠による大坂城天守等に用いられたようです。

 名古屋城天守の場合は江戸時代の中期(1752年)になって土瓦から銅瓦に葺きかえられたといわれていますが、現在の天守は昭和の復元によるものです。

 現存している事例では、青森県の弘前城天守が銅瓦で葺かれています。