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メトロポリタン・マンドリン・オーケストラによる委嘱作品

私たちの活動の、大きな特徴はこれらの委嘱活動です。マンドリンのことを既に充分ご存知な方々ではなく、クラッシク音楽の一線で活躍している作曲家にお願いすることに決めています。新しい曲が生まれる度に、新しいマンドリンの世界が切り開かれていきます。
なおこれらの楽曲を演奏会で取り上げたいなどご希望は、MET事務局(met@d1.dion.ne.jp)までEメールにてお問い合わせ下さい。
作曲者
題名
初演年月日
指揮者
国枝 春恵 ブレンズ for Mandolin Orchestra 1991年9月22日カザルスホール 小出雄聖
鈴木 輝昭 僧園幻想 1993年9月12日カザルスホール 小出雄聖
西岡 龍彦 2台のマリンバとマンドリン・オーケストラのための3つの間奏曲 1994年9月18日カザルスホール 小出雄聖
北爪 道夫 カント 1997年9月 6日カザルスホール 小出雄聖
デイヴッィド・ローブ マンドリン・オーケストラのための「交響曲」 1999年9月 4日カザルスホール 小出雄聖
南 聡 和声学研究・I op.50-1 2003年10月4日トッパンホール 小出雄聖
松平 頼暁 Bee in the Cage 2005年9月24日日本大学カザルスホール 小出雄聖
湯浅 譲二 エレジイ・哀歌 マンドリン・オーケストラのための(2008) 2008年9月21日日本大学カザルスホール 小出雄聖
北爪 道夫 青い宇宙の庭III 2009年9月23日日本大学カザルスホール 小出雄聖
湯浅 譲二 「サーカス・ヴァリエーション(1954)」より 2012年9月17日紀尾井ホール 小出雄聖

作曲者による解説(それぞれ初演時の演奏会パンフレットより)

国枝 春恵/ブレンズ

Harue Kunieda/"Blends" for Mandolin Orchestra (1991)

 "Blends"混合物、混成語の意。
 私達が接しているマンドリン・オーケストラは、異なったルーツを持つ楽器の混合体である。リュート族(マンドリンの先駆マンドリーナ)、ガンバ族、ギター族等の混合による特殊な合奏体とも言える。
 撥弦楽器のリュート族を弓で奏することにより、時代と共に音響理想の変化に対応しながら構造上の変化をもたらしている。例えば、胴体がくびれて弓弾し易くなったり、弦の張力や駒の高さが変化して弓による強弾が可能になったり。
 バイオリン族とマンドリン族を比較すると、その演奏上の可能性に大幅なギャップがあり、このことを念頭に置かないと作曲上様々な困難が降りかかってくる。3年前に作曲した"Coloring" for Mandolin Orchestra の際もこのことに注意しながら作業を進めていった。そして今回はこの点を逆手に活用すべく作曲した。
 全体は3つの章で構成されている。T章、U章は4人の独奏楽器群とオーケストラに分かれている。マンドリンの音質が室内楽的な美しい音色を持っているという特質から発想を得た。4人がバイオリンの弓であえて弓奏することは、異種の楽器を混合している行為である。これは、マンドリン・オーケストラへの、私的なアンチテーゼである。トレモロによるレガート奏法は、独特の不安定な音響を作り出すので、U章で多く用いられる。
 V章は、全員による軽快なトッカータで幕を閉じる。
 (作曲者記)
作曲者プロフィール
1982年 第33回ヴィオッティ国際音楽コンクール作曲部門特別賞受賞。
1983年 東京芸術大学大学院作曲科修了。
1986年 タングルウッド・ミュージック・センター給費研究生として渡米。
 作曲を池内友次郎、野田暉行、オリバー・ナッセン各氏に指示。日本現代音楽協会、日本作曲家協議会、深新会、各会員。洗足学園大学、東京都立芸術高等学校講師。
主要作品

1991.9.22 メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ第4回演奏会 パンフレットより転載

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鈴木 輝昭/僧園幻想 (マンドリン・オーケストラのための)

Teruaki Suzuki/SOUEN-GENSOU

 マンドリンの特性ともいえるトレモロの奏法は、私にとって、音楽の様々な領域で近年追求し続けている震える持続、というモティーフそのものであり、同時に、そこから紡ぎ出される線と和弦の広がりを探っていくことが、この作品に課せられた主題である。モード(旋法)を中心にしたヘテロフォニックな声部の絡みと、速度をもった器楽的パッセージがマンドリンオーケストラという媒体をとおしてどこまで昇華できるだろうか。
 宮沢賢治の文語詩「僧園幻想」からイメージされる世界が、音楽的形質をもつことによって生まれる新たな幻想、ヴィジョンを展開してゆきたい。
 (作曲者記)
作曲者プロフィール
1958年仙台生まれ。桐朋学園大学作曲科をへて同大学研究科を修了。三善晃氏に師事。第46回(室内楽)及び第51回(管弦楽)日本音楽コンクールにおいて、一位、二位を受賞。1984年、日本交響楽振興財団第7回作曲賞。1985年及び87年、西ドイツのハンバッハ賞国際作曲コンクール管弦楽、室内楽両部門において、それぞれ一位を受賞。以後管弦楽作品がドイツ、ハンガリー、スウェーデンで演奏、放送される。1990年、第16回民音現代作曲音楽祭の委嘱による、2群の混声合唱とオーケストラの為の”ヒュムノス”が初演される。
1991年、村松賞受賞。日本作曲協議会、日本現代音楽協議会、同人アール・レスピラン等に所属。現在、桐朋学園大学音楽部非常勤講師。
主要作品

1993.9.12 メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ第5回演奏会パンフレットより転載

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西岡 龍彦/2台のマリンバとマンドリン・オーケストラのための「3つの間奏曲」(1994)

Tatsuhiko Nishioka/

 曲の委嘱を受けたとき「現代曲」というのがその条件でした。アマチュアのマンドリン・オーケストラということだったので、比較的演奏が容易で、聴きやすい「組曲」を考えていたのですが、やがて送られてきた今までの演奏テープを聴いて、このオーケストラが実に高い演奏能力を持っていることが解り、「これならば、自分が普段使用している音楽語法で何ら問題ないのではないか」と考えるようになりました。オーケストラの各パートのトップの人たちが、僕にとって普段なじみのない楽器の解説に集まってくださったときにも、そこで演奏されたアンサンブルの見事さは「アマチュアを意識することなく書きたいように書く」ことを、ますます確信させるものでした。しかし、どんなに高水準の演奏技術があっても、このような無調音楽の演奏が容易であるはずがありません。指揮の小出氏をはじめ、演奏者の皆さんには今までにない大変な負担を強いることになったと思いますが、この場を借りてお礼を申しあげたいと思います。
 曲は、比較的速度の遅い独立した3曲からなり、1曲目はPizzicatoが広い音域で奏されるSecco(乾いた)の音楽、2曲目は、マンドリン、マンドラ、ギター、マンドロン・チェロが四重奏でオーケストラと絡み合う、叙情的なCantabileの音楽、3曲目は、持続音の累積とそれを寸断するsf.がモチーフになっています。マリンバは、マンドリンと同様にトレモロ奏法であるところから、異質な楽器でありながら同質の表現をもっているのと、アクセントのある音に打楽器としてマンドリンの補強ができるので、この組合わせが気に入っています。2台のマリンバは、コンチェルトのようにオーケストラと対峠するような関係ではなく、アンサンブルとして使われています。
(作曲者記)
作曲者プロフィール
1952年、大阪生まれ。東京芸術大学卒業、同大学院修了。
1980年、第49回日本音楽コンクール第2位。
1983年、第11回ブールジュ国際電子音楽コンクール入選。
1988年、ISCM−ACL国際現代音楽祭入選。
桐朋学園大学、洗足学園大学、東京芸術大学講師。

1994.9.18 メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ第6回演奏会パンフレットより転載

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北爪 道夫/カント

Michio Kitazume/CANTO

 正確に言うと、CANTO FUNEBRE(葬送の歌)。亡き友に捧げたい。もっとも彼は、私が今後も書いてゆくであろう作品群のなかから、気に入ったものを勝手に(迷惑ついでに)選ぶだろう、きっと。だから、タイトルはCANTOだけにしておこう。
 楽器と私の小さな接点を大きく拡げるのが作曲。私も今、マンドリン・オーケストラのオリジナルを探す度に参加できて光栄です。
(作曲者記)
作曲者プロフィール
 1948年東京生まれ。東京芸術大学、同大学院修了。1977年、演奏家と作曲家の協業グループ「アンサンブル・ヴァン・ドリアン」の結成に参画、作曲・企画・指揮を担当、1985年までに多くの内外の現代音楽を紹介。1983年、シェーンベルク以降の作品演奏と企画に対し、同団体として第1回中島健蔵現代音楽賞を受賞。1979年、文化庁派遣芸術家としてフランスで研修。
 日本交響楽振興財団委嘱作品「管弦楽のための映照」で1994年、尾高賞、ユネスコのIMC国際作曲家会議1995年度最優秀作品賞を受賞。
 作品はNHK交響楽団ほか主要オーケストラで再演され、1998年には新星日本交響楽団定期、東京オペラシティ・オープニングシリーズでも取り上げられる予定。
 その他、広い分野に多数の作品があり、ハンガリー・フェスティバル、パリの秋フェスティバル、フィンランド・クフモ音楽祭ほか内外の音楽祭や、コンサート、放送、CDで紹介されている。
 京都市立芸術大学教授を経て、現在、愛知県立芸術大学教授。
主要作品

1997.9.6 メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ第8回演奏会パンフレットより転載

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デイヴィド・ローブ/マンドリン・オーケストラのための「交響曲」

David Loeb/Symphony for Mandolin Orchestra

 The "Symphony for Mandolin Orchestra" was commissioned by the Metropolitan Mandolin Orchestra for this concert. It represents the composer's first work for mandolins. Naturally he wanted to compose a work which would reflect both the symphonic tradition and the world of traditional Japanese music, with which he has worked for thirty five years. At the same time, creating a piece which would suit the special character of the mandolin was also of great importance.
In writing this piece he attempted to keep these three considerations in mindand balance them appropriately. The work has four movements in the manner of a traditional symphony.
 In the first movement, all the themes evolve from the mysterious beginning, gathering force until the return of the opening idea. The second movement is alight-textured scherzo, an expanded reworking of a piece originally written for Keiko Nosaka, and often performed by her on the twenty-string koto. The third movement is a slow passacaglia, with a repeated descending figure based on a modified Japanese scale. The fourth movement is a concertante rondo; which means that the form relates to the traditional alternation of a single theme with episodes, but the orchestral treatment alternates passages for the entire ensemble with passages for various combinations of solo instruments.
 The composer tried to utilize the guitar section (American mandolin orchestras do not include guitar) to best advantage, treating it not only as a reinforcement of the bass line, but also as a section capable of melodic and expression on its own.
 マンドリン・オーケストラのための「交響曲」は、この演奏会のためにメトロポリタン・マンドリン・オーケストラから委嘱された。作曲者にとって、初のマンドリン向けの作品である。西洋のシンフォニックな響きと伝統的な邦楽の世界(作曲者には過去35年間の経験がある)を映し出すこと。同時に、マンドリンの特殊性に見合った作品を作り出すこと。作曲中にはこれら3つの構成要素に重きを置き、均衡するように努めた。従来の伝統的な交響曲の様式と同様、4楽章からなる。
 第1楽章では、神秘的な冒頭部分から全ての主題が発展。冒頭部分が回帰するまで、力を集結させていく。第2楽章は、輝かしいテーマを持ったスケルツォ。この曲はかつて二十絃筝奏者の野坂恵子氏向けに書いた作品を今回新たに発展させた。第3楽章は、テンポの遅いパッサカリア。変形された日本特有の下降音階が繰り返される。第4楽章は、協奏風ロンド。単一主題とエピソードが交互に現れる伝統的なロンド形式にとどまらず、ソロ楽器と全合奏が交互に主題を奏でる。
 通常、アメリカのマンドリン・オーケストラはギターセクションを含まないが、今回の作品ではギターを最大限に活かした。つまり、この楽器を単なるベース・ラインの補強としては用いず、旋律や音楽を表現するセクションとして活用することを試みている。
作曲者プロフィール
 David Loeb(b.1939,New York) studied with Peter Pindar Stearns at the Mannes College of Music in New York. After obtaining a Master's Degree at Yale University and summer studies at Tanglewood, he returned to Mannes in 1964 to teach,and remains there now. Since 1973 he has also taught at the Curtis Institute of Music in Philadelphia.
His large catalogue of works includes seven symphonies, several concerti, numerous other orchestral works, many chamber works and solo pieces. Since 1964he has also composed extensively for Japanese traditional instruments, and for early Western instruments, especially the viola da gamba. The experiences ofwriting for such special instruments have strongly influenced his writing formore conventional media. About thirty of his compositions have been recorded;recent releases include "Flutist from the East" vol.2 (Kohei Nishikawa) and "Echoes from Bronze Bells". A second "portrait" CD is now in production.
He has received numerous awards, including the Viola da Gamba Societies of the UK, US, and Japan; National Flute Association (US), Andres Segovia Centennial (Spain), Anton Heiller Memorial (US). His thesis on Japanese koto music was published by Columbia University. He also finds time to perform as a shinobue player, and has recorded one of his compositions for shinobue and orchestra.
 1939年ニューヨーク生まれ。ニューヨークのマンネス・カレッジの音楽科でピーター・ピンダー・スターンズ氏に師事。エール大学で修士号を得、タングルウッド音楽祭で学んだ後、1964年にマンネス・カレッジに戻り、教鞭をとっている。1973年以来、フィラデルフィアのカーティス音楽院でも教壇に立っている。
 作品は多岐にわたり、7つの交響曲、数曲の協奏曲をはじめ、オーケストラ、室内楽、独奏用の多数の作品がある。1964年以来、日本の伝統的楽器、西洋の古楽器(とくにヴィオラ・ダ・ガンバ)のために数多くの作品を誕生させた。このような特別な楽器のための作曲経験は、後の作風に強く影響を与えている。作品は約30曲が録音されており、最近のリリースには西川浩平氏演奏の「Flutist from East」vol.2、「Echoes fromBronze Bells」などがある。現在、二度目の「ポートレイト」CDを作成中。
 受賞は多数。イギリス、アメリカ、および日本のヴィオラ・ダ・ガンバ協会、アメリカの全国フルート協会、スペインのアンデス・セコビア百年祭、アメリカのアントン・ヘイラー・メモリアルなどから表彰されている。また、日本の筝曲に関する論文がコロンビア大学から発表されている。作曲のほかに、篠笛奏者としても活躍。篠笛とオーケストラのための自作自演もCDに収められている。

1999.9.4 メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ第10回演奏会パンフレットより転載

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南 聡/和声学研究・I op.50‐1 (前奏・小唄と舞曲)
 独奏ヴァイオリンと4人の独奏者と、3人の打楽器奏者、ハープを伴うマンドリン・オーケストラのための

Satoshi Minami/Harmonics Study・I (Preludio,Canzonetta e Danza)

メトロポリタン・マンドリン・オーケストラのために、今年の春に作曲した作品である。≪和声学研究≫となにやらいかめしいタイトルがついているが、今年の最初にこのタイトルでいくつかの曲を作ってみようと決めた結果である。ニュアンスとしては「和音の繋がりを研究」するというのではなく「響きの調和の探求」というかなりオーソドックスな意味でのタイトルである。べつに、いままで奇妙なバランスの曲ばかり書いてきたのをここに来て突然反省する気になった、というわけではない。(そのようなことは、墓場に入ったときの楽しみにとっておきたい)
ここでは、マンドリン四重奏、ヴァイオリン、ハープ、三人の打楽器が通常のマンドリンオーケストラに纏いつき独自の質感を作ることを、目標にした。これら加えられたパートはオーケストラ的補助パートというわけではない。独立性を持ちながら混交していくパートである。そして、これらのバランスの微妙な変化が「探求」すべき対象であったといっても差し支えない。
曲の形態は副題の示すとおりである。<前奏、小唄と舞曲>となっているように、3つの部分よりなる。<前奏>は比較的見通しの良いフォームを持つ。<小唄>は旋律的運動が多用される、主に軽快な楽想の部分。この最後の部分でマンドリン四重奏は微分音調弦を変化させる。三番目の部分はリズム的要素が主体になるので<舞曲>と命名している。しかし、雅楽のようにゆったり重い速度が基調になっている。当初の構想では、<小唄>と<舞曲>の間にソリストたちによる<カデンツア>を、<舞曲>のあとに<ギャロップ>とタイトルしたよりリズムを強調した部分を置く予定であったが、必然性の確信が持てず頓挫した。
(作曲者記)
作曲家プロフィール
1955年生まれ。東京芸術大学にて野田暉行、故黛敏郎両氏に作曲を師事する。
第53回日本音楽コンクール2位、第1回ミュージックトゥデイ国際作曲コンクール入選
1983年より故八村義夫周辺に集まった若手作曲家、中川俊郎、内藤明美らと同人グループ「三年結社」を結成活動。また、同時期ヴォーカリスト内田房江、彫刻家金沢健一、舞踏家花柳かしほ、コンポザーパフォーマー鶴田睦夫、岩崎真らとコラヴォレーションによるライヴパフォーマンスを東京周辺にて展開。
1986年北海道移住。1990年環太平洋作曲家会議に参加。1991年村松賞。1992年3人の独奏と3群のための《歓しき知識の花園Tb》にて文化庁舞台芸術奨励賞佳作。同年ケルンの日本音楽週間92に湯浅譲二、藤枝守とともに招かれ9人の奏者のための《昼U》が委嘱初演されおよび自作に関する講演を持つ。以降《彩色計画[》(1993初演ローマ)《六花T》(1994初演札幌)《日本製ロッシニョ−ル》(1994初演ローマ)《閃光器官a》(1995初演パリ)《遠近術の物語》(1995初演ボストン)等幾つかの作品が内外で演奏される機会を持ちレパートリー化されCD出版されている。最近は、2001年ISCM世界音楽の日々に《帯、一体何を思いついた?》が入選。バートン ワークショップによって日本初演の機会を得た。。翌2002年の香港大会にも《日本製ロッシニョ−ル》が入選、10月17日に演奏された。
2003年3月にはフォンテック社より作品集のCD「ジグザグ・バッハ」がリリース。
現在札幌在住。21世紀音楽の会会員。北海道教育大学にて後進の指導にあたる。
2003.10.4 メトロポリタン・マンドリン・オーケストラ第14回演奏会パンフレットより転載

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松平 頼暁/Bee in the Cage

Yoriaki Matsudaira/Bee in the Cage

2005年、メトロポリタン・マンドリン・オーケストラの委嘱によって作曲。作曲中のオペラ「挑発者達 The Provacators」の中のアリアで、他の2つのアリア、Bedside MoonlightとIt!s gonna be Hardcore、プロローグ、エピローグが既に完成している。題意は、C.A.G.Eの4音の反復にB♭音が介在することによっている。これら合計5音とその増4度移高型F#.E♭.C#.B♭(重複).E(重複)の計8音やその残りの音、D.F.A♭.H、或いは元の8音の音程縮小型等が使われている。テキストはブロークンな英語で歌われる。(作曲者記)
作曲者プロフィール
1931年東京生まれ。東京都立大学理学部卒。作曲、ピアノを独学。1957年から60年まで総音列主義によって作曲。次の6年間、不確定性に関心を持つ。1967年から約10年間、ロバート・ラウシェンバークのいうコンバインド・アートに触発され、新しい引用音楽を書き始める。1976年から、旋法による作曲を始める。最近、その延長として、ピッチ・インターヴァル技法を開拓しつつある。
1958、67、69、72、75、84、87、91、93年に国際現代音楽協会(ISCM)主催の音楽祭「世界音楽の日々」に入選。1990年第三回カジミエシュ・セロツキ国際作曲家コンペティションでメック出版社特別賞を受ける。

湯浅 譲二/エレジイ・哀歌 マンドリン・オーケストラのための(2008)

Joji Yuasa/An Elegy for Mandolin Orchestra

今年二月に私は妻を亡くした。来る11月で丁度50年目になる結婚生活だった。私の心に大きな空洞が生じ、3月初演予定の曲は完成することが出来なかった。
 この曲は、そうした私自身の気持ちに、区切りをつけようと思い、委嘱を受けて構想を始めていたものを、変更して作曲に向かった。
 具体的な曲想などの解説はさけたいと思うし、又不要だとも思う。
 ただ、聴いていただければ幸いと思う。
(作曲者記)
作曲者プロフィール
1829年8月12日、福島県郡山市に生まれる。作曲は独学。慶應大学医学部進学コース在学中より音楽活動に興味を覚えるようになり、やがて芸術家グループ<実験工房>に参加、作曲に専念する(1952)。以来、オーケストラ、室内楽、合唱、劇場用音楽、インターメディア、電子音楽、コンピュータ音楽など、幅広い作曲分野で活躍している。

これまで彼の音楽は、映画や放送のための音楽を含めて、ベルリン映画祭審査特別賞(1961)、1966年および67年のイタリア賞、サン・マルコ金獅子賞(1967)、尾高賞(1972、88、97、2003)、日本芸術大賞(1973、83)、飛騨古川音楽大賞(1995)、京都音楽賞大賞(1995)、サントリー音楽賞(1996)、芸術選奨文部大臣賞(1997)、紫綬褒章(1997)、恩賜賞(1999)、日本芸術院賞(1999)など、数多くの賞を受けている。

ニューヨークのジャパン・ソサエティ(1968-69)をはじめ、実験音楽センターUCSDの招待作曲家(1976)、DAADのベルリン芸術家計画(1976-77)、シドニーのニュー・サウス・ウェールズ音楽院(1980)、トロント大学(1981)、フランス国立音響音楽研究所(IRCAM;1987)など、内外数多くの給付招聘を受けている。また、ハワイにおける今世紀の芸術祭(1970)、トロントのニュー・ミュージック・コンサート(1980)、ホンコンのアジア作曲家会議(1981)、ブリティッシュ・カウンシル主催の現代音楽巡回演奏会(1981)、ニュージーランドのアジア太平洋祭(1984)、アムステルダムの作曲家講習会(1984、87)、ダルムシュタット国際現代音楽夏期講習会(1988)、レーケンボー音楽祭(1986、88)、パシフィック・ミュージック・フェスティヴァル太平洋作曲家会議(1990)、東京オペラシティのコンポージアム2002などに、ゲスト作曲家、講師、審査員として参加している。

クーセヴィツキー音楽財団によるオーケストラ曲の委嘱をはじめ、ザールラント放送交響楽団、ヘルシンキ・フィルハーモニー交響楽団、NHK交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、カナダ・カウンシル、サントリー音楽財団、IRCAM、米国国立芸術基金などから、オーケストラ、室内楽、合唱、電子音楽など、多数の委嘱を受けている。1995年には第二次世界大戦終結50周年記念としてシュトゥットガルトの国際バッハアカデミーの委嘱による《和解のレクイエム》のレスポンソリウムを作曲、初演された。

これまで、オーケストラを含む多くの作品が、ISCM世界音楽の日々(1971、74、78、79、81、83-86、91、93、95、2005)やワルシャワの秋(1969、76、78、81、84、86)、ホライゾン’84、ウルティマ音楽祭(95、05)、ヴェネツィア・ビエンナーレ(2005)などを通じて、広く世界で演奏されている。

1981年より94年まで、カリフォルニア大学サン・ディエゴ校(UCSD)教授として、教育と研究の場でも活躍。現在、UCSD名誉教授、日本大学芸術学部大学院客員教授。

北爪 道夫/青い宇宙の庭III 
〜独奏ギターとマンドリン・オーケストラのための(2009)

Michio Kitazume/“Blue Cosmic Garden III” for Guitar and Mandolin Orchestra

福田進一さんには「青い宇宙の庭I、II」という2 曲のソロ・ピースを書かせていただいた 。 もっとも、 この2曲の間には21年という長い隔たりがあるのだが、 福田さんの清新な演奏イメージはこのタイトルが示すように今も昔も全く変わらない 。 だから、今回の協奏曲に、 この2曲からの引用を多く含ませることに私として何の躊躇も無かった 。 とはいえ、 バックがマンドリン・オーケストラであることは大きな難関として筆を遅らせた。
ここでは、 ギターとマンドリンを似て非なる楽器として把握している。 したがって、 二つの楽器は全く違う楽想をもって寄り添っている 。 2種類の撥弦楽器の遭遇はワクワクする実験でもあり期待が膨らむ。
(北爪 道夫)
作曲者プロフィール
1974年東京藝術大学大学院修了。’77年、「アンサンブル・ヴァン・ドリアン」結成に参画、作曲・企画・指揮を担当、内外の現代作品紹介に努め、’83年、第1回中島健蔵音楽賞を受賞した。’79年より1年間、文化庁派遣芸術家としてフランスで研修。以降、様々な団体からの委嘱により多くのオーケストラ作品を作曲、内外で再演。’94年《映照》で尾高賞を受賞、同作品は’95年ユネスコ国際作曲家審議会(IRC)最優秀作品に選出され、IRC50周年記念CDに主な作品として収められた。’01年《地の風景》で尾高賞を受賞。’04年「サントリー音楽財団・作曲家の個展」での《管弦楽のための協奏曲》など長年にわたる作曲活動に対して第22回中島健蔵音楽賞を受賞。他に、《悠遠―鳥によせて》など2曲の国立劇場委嘱作を含む邦楽器のための作品群、さまざまな楽器や声のための作曲は多岐にわたり、自然との対話から紡ぎ出された音響によるそれらの作品は、内外のコンサート、放送、CDで紹介されている。他に、FMベスト・オブ・クラシックのテーマ音楽やラジオドラマの音楽等を担当、多くの受賞歴がある。
CD:「北爪道夫オーケストラ作品集」(FOCD2514)、「北爪道夫・作曲家の個展」(FOCD3505)他。
現在、国立音楽大学教授、日本現代音楽協会理事。
(2009年5月3日:記)

湯浅 譲二/「サーカス・ヴァリエーション(1954)」より(2012)

Joji Yuasa/from “Circus Variation (1954)” for Mandolin Orchestra(2012)

第1曲:開幕序曲 Overture
第2曲:調教師 A Horse Trainer
第3曲:道化師 A Clown - Pierrot
第4曲:玉のり A Dancer on a Ball

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