よい経験をしているのに、
     表現方法で損をしているケース
<状況>
メールにて自己PRと面接についての相談を頂きました。

<相談内容>
エントリーシートなどの書類選考はよく通るのだけれど、最終近くの面接になると上手く行かない。(初期の面接は通過している)
面接を受けていると面接官が途中でペンを置くようなことがあり、どうも上手く伝わっていないのでは?と思っている。
「このネタは使わない方がいいか?」、「どこか特定の部分を膨らまして話した方がいい」など何でもいいのでアドバイスをください。お願いします。

<頂いた自己PR(オリジナル)>
私が最も価値を置いてきたのは「信頼」です。例えば、私は大学3年間、学園祭の渉外担当として、常にお客様の満足を考えて行動してきました。

私は小冊子の広告という形で、援助金を集める営業活動を行っていました。しかし、拒まれることも多々あり、私は話を聞いて頂くための方法を考え続けました。 そこで私は、会社訪問前の電話連絡等の礼儀や、納得して頂くまで粘り強く足を運ぶことで、お客様に信頼して頂けるよう行動し続けました。特に、より実感を得て頂くために広告のサンプルを作成・提案する方法は好評で、話を聞いてくれる方々が増えました。従来は契約後に広告を作成していましたが、あえて先に広告のサンプルを作り、お客様の選択できる幅を広げたのです。このように努力を続けた結果、「よろしく頼むよ、北海道君」と信頼して頂いた時は、この仕事のや りがいと喜びを感じられました。

さらに、この方法は委員全員に採用され、1ヶ月で30万円を集めることができました。現在も後輩に採用され、行動を起こして良かったと感じています。実社会においても、社員の方々やお客様と信頼を築き、そのために自ら考え、行動することを心掛けていきます。

えんかれじゃー’S コメント>
1.言葉を振り回しているなぁ。大学祭の広告集めをしていたこと=信頼 と言うのは、ちょっと辛いなぁ。

2.経験自体はとてもよいものなので、表現を変えることでよくなるのでは?

3.この方は基本的にアイディアマンだし、自ら課題を見出してその解決方法を考えることが出来る能力の高さがある。その分、表現で損をしている。
以上のようなことを思いました。
そこで、次のようなコメントを入れてメールでお返事をしました。
オリジナルの自己PRが黒色で、僕のコメントが朱色です。


北海道さまへ

重田@就職活動を考える です。
こんにちは
メールありがとうございました。

自己PR拝見しました。
不合格になる理由や人事が途中でペンを置くのは、理由があると僕は思います。厳しいかも知れませんが、ダイレクトな表現をしますね。
要は、「鼻に付く」 のだと思います。

つまり、面接をする側としては、
・学生の寄付金集め経験がそのまま、企業での営業に直結はしないよ。
・世の中、そんなに甘くないよ。
・勘違いしてもらっては困る。
・そんな中途半端な自信をもっている学生よりも、真っ白な学生を採用したい。そんな風に思われている気がします。

僕自身あんまり偉そうなことを言えないのですが、ビジネスで言う 「信頼」は本当に長い時間をかけて築いていくものです。ですから、軽々に信頼とか信用と言う言葉を使われると拒否反応を示すのだと思います。

ではどうするか?

北海道さんが、経験してきたことはとてもよい経験だと思います。
なので、少しPRする方向を変えることと、もう少し謙虚に表現するのがいいと思います。

現状の自己PRにコメントを入れますね。


「自己PR」
私が最も価値を置いてきたのは「信頼」です。

=わかるけれど、「信頼」という言葉は重たいと思う。
それよりも僕は、例えば、アイディアを形にしてきました。とか、問題があると燃えます とか そんなのがいいと思うなぁ。
これは、僕の意見だから、北海道君が気にいらないのなら、使わなくってもOK。



例えば、私は大学3年間、学園祭の渉外担当として、常にお客様の満足を
考えて行動してきました。

=お客様の満足を考えて という表現も重たいなぁ。


私は小冊子の広告という形で、援助金を集める営業活動を行っていました。しかし、拒まれることも多々あり、私は話を聞いて頂くための方法を考え続けました。
=断られたことで、北海道くんは どう思った?
悔しかった? 悲しかった? 辛かった?
そんな素直な感情を入れた方が、スムーズに相手に伝わると思う。



そこで私は、会社訪問前の電話連絡等の礼儀や、納得して頂くまで粘り強く足を運ぶことで、お客様に信頼して頂けるよう行動し続けました。
=お客様に信頼 と言うのも 重たいなぁ。
ここは、あっさり、足を運び続けました。に留めておくのがいいと思う。



特に、より実感を得て頂くために広告のサンプルを作成・提案する方法は好評で、話を聞いてくれる方々が増えました。従来は契約後に広告を作成していましたが、あえて先に広告のサンプルを作り、お客様の選択できる幅を広げたのです。
=ここは、アイディアマンとしての北海道くんのよいところが出ている。 この部分をもっと大きく膨らますのがいいと思うよ。
なんで、そんなことを考えたのか? その理由なんかを絡めて書くといいと思う。


このように努力を続けた結果、「よろしく頼むよ、北海道君」と信頼して頂いた時は、この仕事のやりがいと喜びを感じられました。
=やりがい も ちょっと重たいなぁ。
あっさり、「よろしく頼むよ、北海道君」と広告をいただけた時は、本当に嬉しかったです。ぐらいでいいと思う。



さらに、この方法は委員全員に採用され、1ヶ月で30万円を集めることができ
ました。現在も後輩に採用され、行動を起こして良かったと感じています。
実社会においても、社員の方々やお客様と信頼を築き、そのために自ら考え、行動することを心掛けていきます

=社員の方々やお客様と信頼を築き も重たい。
「自ら考え、行動することを心掛けていきます。」ぐらいのほうが謙虚でいいと思うよ。

ではでは、
また、書き直せたらメールください。お待ちしています。



<その後>
メールを頂いた北海道さんからは、僕のコメントを参考にして自己PRを書き直して面接に臨みました。同時に、このエピソードを話すことが「僕って、すごいでしょ!」そんな印象を与えないように注意して話すようになりました。
実際、先輩からは「自慢に聞こえるから、このエピソードが使わない方がいい。」と言われていたそうです。でも、やっぱり自分が一番頑張ってきたことなので、このネタを使いたいそんなことを思っていたそうです。

その後、志望の高かった大手損保会社に進路決定されました。


<おまけ>
僕なら、上記のネタを利用したらこんな自己PRとして仕上げると思います。一つのサンプルです。
「自己PR」
私は難問があると燃えるアイディアマンです。

大学3年間、学園祭の渉外担当として、小冊子の広告という形で、援助金を集める営業活動を行っていました。その中で広告を頂けるどころか、話も聞いいただけないことが多々ありました。話も聞いてもらえず追い返されるのは悔しいので、何とか話だけでも聞いて頂くための方法を考えました。

そこで私は、基本と応用の2つの作戦を考えました。
基本作戦は、会社訪問前の電話連絡等の礼儀や粘り強く足を運ぶことです。応用作戦は、広告と言われてもお客さんにはイメージが沸きにくいので、事前に広告サンプルを作った上で、お客様を訪問する作戦です。この事前に広告を作っていく作戦は、お客様に好評で話を聞いていただける方が増えました。この結果、1ヶ月間で30万円(これまでの2倍)の広告料をいただくことに成功し、事前に広告を作成して、お客様に提案する手法が定着しました。

この経験を通して多くの広告が集まったことも嬉しかったのですが、それ以上に、「よろしく頼むよ、北海道君」と広告を頂けた時の喜びは大きなものがありました。また、広告の営業経験を通じて、相手の立場に立って考えることの大切さを学ぶことが出来きました。これからも相手のことを考え、大きな信頼を得ることの出来る社会人を目指したいと思います。

<注、この自己PRはサンプルであり、事実をベースにしていない部分があります。あくまでも僕の作文であり、サンプルです。ですから、この自己PRは、相談者の北海道さんには提供しておりません。>

<サンプル自己PRのポイントとねらい>
「信頼」と言う言葉は最後の最後に目標として使っています。それ以上に、過去の経験を事実ベースで表現するように意識しています。広告の営業がキッカケとなって色々と悪戦苦闘して行く中で、「信頼」や「仕事を任せてもらえることの嬉しさ」に気付くことが出来た。そんな流れを大切にしています。また、「行動力」や「負けず嫌い」そんな表現はありませんが、それらの特性が行間から読み取れると思います。

そのほか、30万円がこれまでの実績と比べて、どうかが分からないので、『これまでの2倍』と言葉を添えました。細かいことですが、この2倍と言う数字は、僕の作文ですから事実ではありません。要は客観的な数字であっても、対比するものがないと相手には上手く伝わらないのです。