私的ライブレポート


「MAX LIVE CONTACT 2000 "No Boundly"」2000.5.6 at 代々木第一体育館
MAX
2000.5.8



2000年5月6日。原宿。

どうも雲行きが怪しい。ひと雨来てもおかしくない。

言い訳を探していた。この場に来てしまった言い訳。
本当は来ないつもりだった。チケットも取らなかった。
だが、知り合いの「チケット余ってるけど行く?」の誘いに思わず「行く」と即答してしまった。
行くならファイナル、と思っていたのだが代々木のファイナルが中止となってしまったせいもある。

何故ここまでMAXにはまってしまったのだろう。
スーパーモンキーズの頃から気にはなっていた。
最初の頃はファンというより同年代であることの親近感だった。
MAXになってからは結構いいかも、という感じではあった。
気がつけば好きになっていた、というのが正しいかもしれない。
この1年半ぐらいで、一気にファンになった。

普段聴いている音楽、いつも行っているライブとMAXとは相容れないと思う。
その齟齬を自分の中で解決する、そのための言い訳を探している。

たまには売れ線のライブも見ておきたい。
大きい会場のライブも見てみたい。
MAXを見るなら今のうちかもしれない。
ロックバンドじゃないライブも見たい。等。

それでも結局落ち着く結論。
自分はMAXが好きだ。ナナが好きだ。だから見たい。

だったら、それでいいのかもしれない。
自分を偽る必要はない。
ロックファンとしての自分は確固としてあるのだから。

不安要素は多い。
MAXのライブは初めてだ。こんなに大きい会場も初めてだ。
一昨日、あれだけ密度の濃いライブを見たばかりである。無意識に比較してしまわないだろうか。
生で見ることで、自分の中でのMAX観が悪い意味で変わっていってしまわないだろうか。
ネット上の知り合いはどんな人達なのだろうか。

どれだけファンが賞賛しようが、MAXは一般的にはアイドルなのである。
歌唱力も、ダンスの実力もいわゆるアイドルの中ではずば抜けていると思う。
それでも、実力相応の評価をされているとは思えない。アイドル扱いされている。
楽曲も名曲揃いとはいいがたい。もどかしい。

いわゆるアイドルファンは嫌いだ。
批判力がないから。自分のことしか考えていないから。
周りがそんな人達ばかりであったら、自分は醒めてしまうだろう。

駅前でMAXファンの人達と待ち合わせている。ネット上の知り合い。
チケットを譲ってもらうことになっていた。
当然会うのは初めてだが、どうやらいい人達であることに間違いはなさそうだ。
合流し、会場に向かう。

グッズのショップを覗いたり、話をしたりして時間が過ぎるのを待つ。
周りには年期の入ったファンから親子連れまで様々。
ファン層は広い。それだけに、全体像が見えにくい。

会場に入る。広い。
アリーナ席だが、後ろ寄りである。ステージはかなり遠い。
新曲が流れている。
1階席前方には貴賓席。昨日は安室・SAM夫妻やDA PUMPもいたらしい。
今日はそれほど豪華ではなさそうだが、芸能人も来ているようだ。

開演は少し遅れているようだ。
会場は暗くなり、オーディエンスは立ち上がる。
Never Gonna Stop Itのラップ部分を利用したSEが流れる。
会場のテンションが少しづつ上がっていく。
Easy Easy。4人が登場。

遠くて表情までは確認できない。
だからといって、モニターを見るのは嫌だ。肉眼で見たい。

1曲めなのに盛り上がりはかなりのもの。
新曲「Magic」も交え、中期(MAXIMUM II頃)の曲を立て続けに歌う。
4人の声が、ダンスが、笑顔が、巨大な会場を一つにまとめあげる。

MC。観客を煽る。
しかし、喋っている途中なのに叫んでいるファンがいる。こういうのが嫌いだ。
他の、話を聞いているファンに迷惑だと思う。MAXもいい気持ちはしないだろう。

初期のユーロビートの曲。衣装がまた派手。
オーディエンスの盛り上がりは最高潮。
一気に数曲を駆け抜ける。
CDで聴くのとは違う声。ライブの声。
MAXがステージからいなくなる。バンドのギターの人が前に出てきてソロを弾き始める。
悲しいかな、誰も聴いていないに近い状態。早弾きが空しく響く。
やがてギターの人は下がり、DJの音が前面に出てくる。暗転。

気がつけばステージ中央の階段に4人の姿。
So Special Love、一緒に…、POWDER SHADOWの3曲。ダンスなし。
しっとりとしたバラードから少しづつソウルフルな曲へ。シンガーとしての実力を堪能できる。
しかし、POWDER SHADOWのアレンジが相変わらず気にくわない。
もっとシンプルな音作りして欲しいと思う。

MC。少し落ち着いてしまった客席。
しかし、彼女達の言葉に盛り上がりを取り戻す。

ユーロRemixメドレー。
個人的にこのアレンジは好きではない。盛り上がることは確かだが。
バンド、ダンサーの紹介。そして個人のダンスに入る。
だが、どうも踊り切れていない気がする。もっと持ち味を出せると思う。
リナは見事に失敗して転んでいる。

何曲かを一気に歌い、MAXは去っていった。

煮え切らない。

当然のごとくアンコールを求める観客たち。
しばらくじらしておいて、出てくる4人。
盛り上がる客席。
冷静に考えれば、おきまりの展開。しかし僕も完全に呑まれている。
そんなことを考える余裕はない。

名曲「I Will」を筆頭にアンコール数曲。
最後はRide On Time。この曲は盛り上がる。
会場全部で踊り、歌う。

テンションが頂点に達し、ライブは終わる。
オーディエンスは叫び、拍手することをやめない。
MAXはなかなかステージから去ろうとしない。
すべての観客に「ありがとう」と告げ、手を振る。
そして、去っていく。

終わった。
あっという間、物凄く短い2時間。
もっと見たい。また見に来たい。

MAXは実際に見ると意外と小柄であるという。
プロフィールを見ればそれはわかる。
しかし、ステージ上の彼女達はとても大きく見えた。
これが、プロなのだろうと思う。

今までみたライブとは世界が違う。
これはエンターテインメントであると思った。
日常の延長線上で楽しめるエンターテインメント。
MAXはライブがいい、というのを聞いたことがある。わかる気がした。

いくらライブとはいっても、彼女達は見られる側、我々は見る側。
ファンにとってのMAXはOnly Oneでも、MAXにとって個々のファンは何万分の1でしかない。
ライブのタイトルである「No Boundly」。多分No Boundaryのことだと思う。
彼女達らしい間違い。
このタイトルに込められたのは、ステージ上と客席の境界を感じさせないライブだという。
しかし、やはり難しいのであろう。特に、これだけ巨大な会場では。
少なくとも、現時点でまだ境界はあると感じた。

外に出る。天気はどうにか持ち直したようだ。

他のMAXファンと合流。喋りながら、余韻を楽しむ。
みんないい表情をしている。

冷静に振り返ると物足りない部分もある。
もっと踊って欲しかったし、聴きたい曲もある。
もっと近くで見たかったし、自分自身がもっと楽しみたい。
でも、だからこそ、また行きたいと思った。
それは、やはりMAXが好きだから。
今日のライブでもっと好きになったから。
ツアー終盤は、もっと完成されているだろうから。

次にMAXのライブを見られるのはいつだろうか。
今年のツアーはもう東京には戻ってこない。
来年になってしまうのだろうか。
もっと小さい会場で見たいとも思うが、それは無理だろう。

考えていた言い訳は、今までMAXのライブを見に来なかったことの言い訳だったのかもしれない。



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