私的ライブレポート


「Break Out!!」公開録画 at 渋谷TOWER RECORDS
タコライス、Full Monty、ニューロティカ
2000.7.24



2000年7月24日。

梅雨はすっかり明け、暑い日々が続いている。
今日も天気がいい。
風があるのがせめてもの救いか。

Full Monty。
昨年12月に六本木Y2Kで見てその存在を知ったスカコアバンド。
密かに注目していたが、見るのはそれ以来2度目。
全国デビューシングルも好調なようで、売り切れ店続出。
再入荷している店もあり、注目度は非常に高いといっていいと思う。

一度、話をしたことがある。7月6日、ON AIR WEST前。
これについてはその日のHALのライブレポ参照。
今日はその時に購入したFull MontyのツアーTシャツを着てきた。

今日のライブは「Break Out!」というテレビ番組の収録。
1週間ほど前だろうか、Full MontyのHPに情報があった。
入り口で「Full Monty見せろ」といえば見られる、そう書いてあった。

予定されていたバンドが一組出なくなって、急遽出演が決まったらしい。
対バンはタコライスとニューロティカ。名前は聞いたことがあるが、正直言ってよく知らない。

友人とタワーレコードで待ち合わせ、売り場を少し見る。
彼もY2K以来のFull Monty。

タワーレコードの売り場から地下へ通じる階段。静かだ。
入り口でFull Montyを見に来た旨を告げるとすんなり中に入れた。
会場はそれほど大きくない。ステージも小さい。
人はそれほど多くない。ガラガラである。

Full MontyのTシャツを着ている人は、他に女性が一人いるだけだ。
開演を待つ間に、その人が声をかけてきた。
Tシャツがテレビに映るように前の方で暴れてくれ、とのこと。
関係者に頼まれたようだ。

会場の照明が落ちる。
一組目はタコライス。
ストレートなパンクロック。
今の日本のパンクバンドの例に漏れず、ブルーハーツなどの影響を強く感じる。
ただ、音作りやフレージングにはパブロック的なものも聞き取れる。
そういった部分に個性を感じるが、全体的には「普通の」パンクバンド。
ノリは良い。ライブ慣れしたバンドであるのは感じ取れるし、何よりもライブを楽しんでいる。オーディエンスも楽しんで聴いている感じがする。

30分程度のステージが終わる。
やっぱり「普通」の域は出ないがなかなかいいバンドなんではないか、と思う。

次がFull Montyのようだ。
前方へ、中央へ移動する。別にテレビに映ったり暴れたりする気はないがやっぱり前で見たい。
メンバーが楽器や機材のセッティングをはじめる。
愛用のギターが壊れたと言っていたKEITAROU、手にしているのは黒のレスポールスタンダード。
壊れたのはY2Kで見たときにも使用していたレスポールスペシャルだという。
ルックス的にはそちらの方がしっくり来る感じがする。

一旦引っ込んだメンバーが再び現れる。
今のFull Montyは5人。Y2Kで見た時は8人だった。
ちなみに、CD製作時は7人。
ここのステージでは5人がちょうどいいが、人数が少ないというのは少し寂しい感じがする。
集中力を、テンションを高めているKEITAROU。

演奏がはじまる。
シングル未収録の「あの街へ」。
メンバーはかなりノっている。明らかに半年前よりパワーアップしている。
オーディエンスが飛び跳ね、ほどなくして前の方は「おしくらまんじゅう」状態。
当然、僕も巻き込まれる。巻き込まれたからには一緒に飛び跳ね、暴れる。
こんなライブは久しぶりだ。HALではありえない。
靴が脱げそうになるのも構わず跳ねる。押されたら押し返す。それだけだ。

シングル収録曲、未収録曲も交えて演奏が続く。
途中スローな曲で落ち着けたり、曲の組み立てはうまい。
何よりも、メンバーが楽しんでいる。
MCも彼らしい。謙遜気味な言葉。一生懸命な姿勢。そして、観客への配慮。
「好きなようにライブを楽しんで欲しい、でも怪我はしないでくれ。」

怒濤のように演奏は進む。最後の曲、「With Light Step」。
僕も含めたオーディエンスの跳ね方は最高潮。
KEITAROUのギターは5弦が切れているようだ。低音弦が切れるとは珍しい。
それだけ気合が入っているということか。
終盤、最前列に出られた。KEITAROUは僕を覚えてくれてるのか、最後に少しアイコンタクト。
そして、盛り上がった状態で終了。

暑い。動き過ぎたか。息があがっている。
少しさがって休憩。涼む。タオルを持ってきたのは正解だった。
彼らは、生粋のライブバンドだ。そう思った。
勢いも凄い。また見に行きたい。ただし、30分が限度(^^;)。

前方で飛び跳ねていた20人ほどの集団。その中に自分もいたのである。
冷静に考えてみれば滑稽かもしれないが、それもこういうライブの醍醐味であろう。

最後のバンド、ニューロティカに向けて準備がはじまっている。
KEITAROUも好きなバンドであるとステージ上で言っていた。
聴いたことがないだけに、期待は高まる。
Full Montyメンバーの一人、トランペットのDAIZABUと少し話をする。

そうこうしているうちにニューロティカ登場。
前の方はファンで埋まっている。聴いたことがないので少し離れて冷静に聴いてみる。

ピエロの扮装をしたボーカルと、普通の格好のバンド。
キャッチーでわかりやすいメロディーとハードなサウンド。
確かなテクニックと、逆にそれをあまり感じさせない上手さ。
かなり長くやっているバンドのようだ。スタイルが確立している。
今まで聴いたことがないのに、曲がすんなりと入ってくる。
前方で跳ねているファンが多いのも頷ける。

MCやパフォーマンスもツボを突いていて、時に会場の笑いと失笑と沈黙を誘う。
前の方の「おしくらまんじゅう」度合いはFull Montyの1.5倍ぐらいか。
気がつけば、跳ねてる中にKEITAROUもいる。かなり楽しんでいるようだ。
当たり前だが、彼らもプレーヤーでありパフォーマーである以前に
ひとりのリスナーでありオーディエンスなのだ。改めてそう思う。
参加したいが、それ以上に聴きたいという意識が強いのでおとなしく聴く。

それにしても、いいバンドだ。
オーディエンスは今日最高の盛り上がりを見せている。
そして、 MCがそれを煽る。
「おまえらがこれからの日本を背負って立つんだろ!
 おまえらがこれからのロックを背負って立つんだろ!!」
最後は会場全体をジャンプさせて終了。

会場が明るくなる、放送はまだ2ヶ月ほど先のようだ。
他の観客が外へ出る間にアンケートを書き、出口が空いた頃合いを見計らって外へ出る。
例によってFull Monty本人達がCDとグッズを売っている。
一声かけて、アンケートを渡してその場を離れる。

階段を上り1階、出口へ。
少し耳がおかしくなった感じと、心地よい疲労。
醒めていく興奮、ライブの記憶の反芻。
周りに広がる日常。
この感じが、ライブの醍醐味。しかも今回は無料。

帰り道、友人といろいろ話をする。
良いライブを見た。良いバンドを見た。疲れた。これが共通の感想。

また、見に行こう。そう思った。
 

月曜の夜。いくら渋谷といえど、昼間や週末のような混み方はしていない。
山手線も余裕がある。とは言っても空いてはいない。
残っていた余韻は車内の熱気に溶け出していく。



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