私的ライブレポート


「WEST SIDE STORY Vol.1
~EXCITING TWO-MAN LIVE!~」
2001.8.11 at CLUB 24 WEST
HAL FROM APOLLO'69, W.A.R.P.


注)  面倒なので文中ではHAL FROM APOLLO'69のzoё氏を「zoe」と表記しています



2001年8月11日。

世の中はお盆休みに入っている。
御多分にもれず、僕の勤める会社も5連休に入った。
そのせいか、横浜の街は普段の休日より少し人が少ない気がする。

自転車で外出した時に限って、雨が降る。
幸い、夕立ち程度のようだ。
小降りになった隙を見て、関内へと向かう。

CLUB 24 WESTは2度め。前回はHALのワンマンライブ。
HALにとってもファンにとっても最高の時間を共有できた、そのライブハウス。
今回はHALの盟友ともいうべき、W.A.R.P.との競演。

昨年のW.A.R.P.との競演は9月のclub asia。
HALにとっては前代未聞の1曲だけのステージだった時である。
11ヶ月ぶりの対バン。HALのメンバーはhalとzoe以外は総入れ替えになった。

開場前。また小雨が降り出す。
自転車を停め、開場と同時に中へ入る。

狭い開場は、あっという間に人でいっぱいになる。
W.A.R.P.のファンが大半を占めるようだが、halにも興味はありそうな様子。
ステージ上には見なれたHALの機材。

長い待ち時間。
やっと、客席の照明が落ちる。

少し控えめな歓声に迎えられるHALのメンバー。

オープニングはhal from heaven。
今日のzoeは冴えている。いつもよりソロが長く、そして速い。
寡黙ではあるが、今日はかなり目立つ。
続くnexus、bloodbath、booster。
最近のHALの、いつもの展開。
聴き慣れた、耳障りのいい、それでいてハイテンションな音の洪水。
あくまでも個性的で、いつ聴いても新しい。

halのMC。
W.A.R.P.との競演を楽しみにしていたというhal。
自分が歌った後に見られるのが嬉しいようだ。
ミュージシャンであり、表現者であると同時にリスナーであるという一面が垣間見える。

up。
豪快なリフに、一旦落ち着いた気分は強引に揺さぶられる。
Backfire Shuffle。
ストレートで、攻撃的な音。熱気が頂点に達する瞬間。

再びMC。「あと4曲。」

666。
今のメンバーになってから印象が大きく変わった曲の一つ。
ベースラインの入り方が違うのである。
以前に比べてリズムトラップ度合いも少し薄れてきた。

そのまま次の曲に行くと思いきや、突然halがzoeに耳打ちする。
何か、変更でもあるのだろうか。
zoeに「何か喋って」と言い、AliやEricにも耳打ちするhal。

zoeが何を言うのか、注目が集まる。
そしてその一言、halとのやりとりに、オーディエンスは呆気に取られ、そして和む。

zoe「halが歌詞忘れたから1曲カットで。」
hal「何でバラすのぉ〜〜〜っっっ!!」
オーディエンス「(笑)」

まあ、こんなトコロもhalらしさである。
予定されていた曲は、新曲「私の舌は嘘をつかない」。まだライブでは1回しか聴いていない。

ということで、あと2曲。

LKM。
最初はかなりポップな曲であると思っていたのだが、聴いていくうちにこの曲の尖った部分が見えるようになってきた。イントロのギターの音には鳥肌が立つ。zoeの真骨頂。
そして最後の曲、drive yr terraplane。
ゆったりとしたグルーヴに身を任せ、HALのステージが終わる。

今のHALは、デジタルな音の感触よりもライブバンドとしてのグルーヴに主眼を置いているような感じがする。それが今のメンバーでのHALのスタイルなのであろう。今の編成も、かなり板についてきた。あとはレパートリーが増えてくれればいいのだが。

狭いステージ上。W.A.R.P.のセッティングがはじまる。
回転灯、CAUTIONと書かれた看板。そして、張り巡らされるCAUTIONテープ。
一層狭くなるステージ。テープで客席側と区切られている分、余計狭く感じる。

慌ただしいセッティングが終わり、少し落ち着いた頃にSE。
パトランプの点滅するステージに、W.A.R.P.のメンバーが現れる。
客席の大半を占めるファンからの歓声。

紡ぎ出されるデジタルなロックサウンド。
以前見たときにも良い印象は受けたが、やはりかっこいい。
パフォーマンス、サウンド、MC。すべてにおいてW.A.R.P.のスタイルを確立している。

MCは面白い。少し滑り気味でもかまわない。
意外とファンは無反応。ただ、それによってMCはもっと面白くなる。
ある意味でインタラクティブなライブ。

客席にはhalの姿。本当に自分のライブ後に着替えて見ている。

それにしても、このバンドはアクが強い。
音楽面だけでなく、それも大きな魅力だ。

聴いていて思い出したのは、故hide。
彼が日本のメジャーシーンに持ち込んだスタイル、それと同じ方向に向かっている感じ。
彼の最後のバンド、zilchに近い音かもしれない。
取りあえず、W.A.R.P.というバンドがかっこいいことに変わりはない。

そして、今日のステージが終わる。
充実したライブ。爆音。耳が少しおかしい。

外へ出る。雨は止んでいる。
HALのメンバーが外で休んでいる。
帰ろうとするファンに一声かけてくれるのが、なんともいえず有り難い。

すっかり暗くなった街を、寮に向けて走る。少し湿度は高いが涼しい。
自転車は考え事をするのに向いている、という話をどこかで読んだことがある。
いろいろな想いが頭の中をよぎる。

2組とも、確固とした音楽性とスタイルを持つバンド。
真の意味での実力とセンスを兼ね備え、コアなファンの耳を唸らせる。
どちらも一般的な知名度は低いが、それだけにコマーシャリズムに左右されていない。
そんなバンドの競演。異次元のサウンドに包まれたライブ。
1曲カットというトラブルがかえって今日のライブを面白くしていた。

W.A.R.P.は今日聴いて改めていいと思った。
演出というか、見せ方もうまい。
HALには、いつもいいバンドを紹介してもらっているような感じがする。

寮に戻ってしばらくすると、外は強い雨に変わっていた。
良いタイミングでライブが終わり、いいタイミングで帰れた。
僕にとっては、これも心憎い演出の一つに映る。



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