資料提供 日本共産党国会議員団

豪雨で被害にあわれたみなさんへ
  心からお見舞い申し上げます。
2004.10.25  

豪雨災害救済対策
諸制度活用の手引き

 まず、り災証明を
 当面の生活について
 家屋の補修、家財の買い替え、住宅の建て替えなど
 教育への援助
 税の減免、納税猶予
 中小企業への融資制度
 被災農家、農業被害の救済対策と諸制度

 このたびの豪雨で被害を受けられた皆さまにたいして、こころからのお見舞いを申し上げます。

 今回の記録的な豪雨の被害状況については、調査がすすむにしたがって深刻な事態がいっそうひろがっています。まだ、家や周辺の片付けをはじめとして被害復旧の過中であると思いますが、日本共産党は被災された方一人ひとりの災害復旧・生活再建の一助としていただければと、「豪雨災害救済対策の諸制度活用の手引き」を作成しました。制度の概要程度の記載ですが、お役立ていただければ幸いです。各制度の詳細への疑問や具体的な要望については、地元の地方議員、党事務所やお近くの党員にお寄せください。

 なお、災害救助法による支援については、一応の所得制限や期限などの基準が定められていますが、基本的に「援助を必要とする人を支援する」という法の趣旨を徹底させるようにすることが大切です。また、災害救助法の適用がなくても、同一災害による被害であり、同等の支援を県などに求めることも必要です。



まず、り災証明を

■まず「り災証明」の発行を受ける

 り災証明書は災害の事実があったことを証明するもので、税の減免や災害復旧にかかわる諸制度を活用する場合に必要となる大切な証明書です。どんな小さな被害でも「この程度なら自分でなんとかしよう」と個人で判断せずに、居住地の市町村の担当窓口に相談し、証明書の発行を受けましょう。


当面の生活について

■衣服、寝具などが使えなくなった場合
    (災害救助法)

 全・半壊、流失、床上浸水等により生活上必要な被服、寝具、その他生活必需品をそう失、またはき損し、ただちに日常生活を営むことが困難な場合、これらが給与または貸与されます。期間は災害の発生から十曰以内となっていますが、厚生大臣の承認により期間延長もありますので必要な場合申請しましょう。
 ★費用の限度額は世帯人数によって異なります。


■公営住宅や仮設住宅への入居
    (災害救助法)

 災害で住宅を失うなどの被害を受けた方はなるべく早く市町村に申し込みましょう。公営住宅・仮設住宅ともに必要数を確保することを国に求めることが大切です。公営住宅は所得制限をはじめとした入居基準などの制限をとり払い優先入居の措置がとられます。また、施設住宅については、希望地への建設や、世帯の人数に応じた居室数など、生活の基盤となりうる住居となるようにすることが大切です。


■障害物の除去について
     (災害救助法)

 居室、炊事場、玄関等に障害物が運び込まれているために生活に支障をきたしている場合で自力では除去することのできない方は、除去してもらうことができます。災害発生時から十日以内。ただし厚生大臣の承認により延長できますので必要な場合は市町村に申請しましょう。(一世帯当たり十四万千百円以内)


■災害弔慰金、災害障害見舞金について

 災害で亡くなられたり、重度の被害にあわれた方にたいし、「災害弔慰金の支給等に関する法律」にもとづき、災害弔慰金と災害障害見舞金が支給されます。
 居住地の市町村が災害救助法の適用を受けていなくても、今回のように大きな災害について一連の災害被害とみなして支給の対象となりますので、市町村の窓口に申請しましょう。

【災害弔慰金】
 配偶者、子、父母、孫、祖父母が亡くなられた場合、最高で五百万円の弔慰金が支給されます。

【災害障害見舞金】
 災害により重度の障害を受けた方にたいして、最高で二百五十万円の見舞金が支給されます。


■生活福祉資金の災害援護貸付
   (災害援護資金との併用はできません)

 災害を受けたことによる困難から当面の生活維持に必要な経費として、百五十万円を限度に貸し付けを受けられます。利率は年三%。据え置き期間一年、償還期間七年以内。申し込み窓口は民生委員を通じて市町村の社会福祉協議会。


■生活福祉資金の更生資金
      (生業費)

 生活が困難な場合、生業を営むのに必要な経費として、百四十一万円を限度に貸し付けを受けられます。利率は年三%。据え置き期間一年、償還期間七年以内。申し込み窓口は民生委員を通じて市町村の社会福祉協議会。



家屋の補修、家財の買い替え、
       自宅の建て替えなど


■住宅の応急処理
    (災害救助法)

 住家に被害を受け、みずからの資力で応急処理をすることができない場合、居室、炊事場および便所等日常生活に必要最小限度の部分について応急修理をします。期間は一カ月以内。申し込みは市町村の窓口。 (一世帯あたり五十三万千円以内)


■災害援護資金の貸付

 災害により、負傷又は住居、家財に被害を受けた方で 前年の所得が市町村民税の課税標準で七百三十万円(四人世帯)未満。ただし住居が滅失したばあいは千二百七十万円未満の世帯が対象となります。貸付限度額は三百五十万円。
 年三%(ただし、国からの資金は無利子であるので、市町村の判断で利子補給ができます)、据え置き期間は三年(特別の場合は五年)、償還期間は十年(据え置き期間を含む)。申し込みは市町村の窓口。
 ★居住地の市町村に災害救助法が適用きれていなくても、同県内に災害救助法が適用された市町村が一つでもある場合は対象になります。


■母子寡婦福祉貸付金

 母子家庭の母寡婦が、住宅の建設、購入、補修などのために必要な資金について、年三%(ただし、国からの資金は無利子であるので、県の判断で利子補給ができます)で百五十万円まで貸し付ける(特別な場合二百万円)。 据え置き期間六カ月、償還期間六年以内(特別な場合七年、支払い期間の猶予と据え置き期間の延長あり)。
 申し込み窓口は県の福祉事務所。


■災害復旧住宅資金の貸付

 融資対象地域に指定されていて、建設および新築・中古購入の場合、住宅に五割以上の被害を受けた方、補修の場合は住宅に十万円以上の被害を受けた方は、以下の条件で災害復興住宅資金の融資を受けることができます。
 限度額は建設の場合、木造で千百万円。補修の場合、木造で五百九十万円。
 また、新たに宅地を取得する場合、建設資金の融資と合わせて七百七十万円を限度とする土地取得資金の融資があります。また、宅地の被害について整地には三百八十万円を限度とする整地資金の融資があります。
 申し込みは住宅金融公庫か公庫委託の金融機関へ。り災証明が必要。


■危険な個所の修復資金への貸付

 災害防止のため改善勧告を受けている場合、危険個所の修復などのために住宅金融公庫の宅地防災資金を借りることができます。限度額は工事に必要とする費用の九割もしくは千三十万円のいずれか低い方の金額。年利は二・八五%で償還期間は十五年以内。




教育への援助

■学用品が使用できなくなった時
    (災害救助法)

 全壊・半壊、流失または床浸水により学用品をそう失またはき損した小学校児童及び中学校生徒にたいして教科書及び教材実費。文房具及び通学用品は定められた金額以内。


■就学援助制度
 小・中学生を対象とした制度で、生活が困難になり学用品や給食費などに支障をきたすおそれのある場合、その補助を受けることができます。

 所得などで一律に判断せず、実情に応じて対応することとなっていますので、学校を通じて市町村の教育委員会に相談、申し込みをおこないましょう。


■授業料減免・補助

 被災世帯の高校生の授業料免除については、公立学校の場合設立者である各自治体で定めていますので、学校を通じて教育委員会に相談しましょう。私立学校の場合は学校に相談しましょう。


■修学費、就学支度費の貸付

 前記の生活福祉資金の貸付制度の一つ。高校、高専、短大、大学生が対象。入学の際、または月々貸し付けられます。貸し付け条件などは他の生活福祉資金の貸付制度と同じ。


■日本育英会の「災害採用」

 通常の採用時以外でも、災害など緊急の場合には適時採用をおこないます。その際、学力基準や家計基準などは通常の場合よりも緩和されます。申し込みは大学の学生課などを通じて日本育英会に。



税の減免、納税猶予

 災害によって、住宅や家財に被害を受けたとき、損害額の程度などによって、所得税や地方税の減免を受けることができます。


■所得税の減免

 以下の二つの方法がありますので、専門家などに相談して、いずれか有利な方法を選びましょう。

(1)災害減免法
 住宅や家財の二分の一以上の損害を受け、かつその年の所得金額が一千万円以下の人が対象です。その年の所得が三百万円以下の場合は所得税全額が免除、その他所得によって四分の一まで税額から控除されます。被災した年のみの制度です。

(2)雑損控除
 生活に通常必要な資産で災害などで損失した場合、定められた計算方法で所得額から控除され所得税の計算がされます。この制度を受けるためには、災害に関連したやむをえない支出金額について領収書、明細書などが必要ですので保管しておきましょう。

 損失額が大きくて、その年の所得金額から控除しきれない場合は、翌年以後三年間に繰り越して各年の所得金額から控除できます。


■地方税の減免

 住民税、固定資産税、事業税、自動車税などの地方税の減免制度は、それぞれ自治体の条例によります。各都道府県、市町村の担当窓口に相談しましょう。

【自動車税】
 自動車が水没するなどして、修繕費を要すると認められる場合、損害の程度に応じて、二分の一以下の税額を控除することができます。くわしくは、県税事務所に相談してください。


■納税の猶予

 災害などにより相当の損失を受けた場合、所得税の場合は税務署長に申請することによって納期限から一年以内で納税の猶予を受けることができます。

 地方税の納税猶予については、減免の場合を参考に。


■国保料の減免

 医療費の支払いに困った時の制度としては、国民健康保険法による保険料の減免制度があります。市町村役場でご相談ください。




中小企業への融資制度

 (原則として災害救助法が適用された地区およびその周辺が対象)

 中小企業にたいする融資については、政府系金融機関(中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工組合中央金庫)が、それぞれ災害復旧貸付制度を設けています。

【中小企業金融公庫】
 他の貸し付けとは別枠で、直接貸し付けが一・五億円まで。利率は二・五%で据え置き期間は二年、償還期間は十年。 (いずれも実情に対応)

【国民金融公庫】
 他の貸し付けとは別枠で、直接貸し付けが三千万円まで。利率、その他は中小公庫と同じ。

【商工組合中央金庫】
 他の貸し付けとは別枠で、直接貸し付けが組合に二百億円まで、組合員に二十億円まで。利率は他の政府系金融機関と同じ。





被災農家、農業被害の救済対策と諸制度

■農作物が冠水して収穫の見込みがたたない

【共済制度の活用】
 共済制度に加入している場合、水害による収穫の減収にたいして、共済金が支払われます。急いで被害申告をおこない、共済金の早期支払いと必要に応じて共済金の仮渡しを各組合、自治体に要求していきましょう。


■経営資金、生活資金の融資制度

 肥料や種モミを買うなどの経営資金や生活資金のための国の融資制度としては、「天災融資法」にもとづく「天災資金」と、「自作農維持資金」、「林業経営安定資金」などがあります。

【天災資金】
 貸し付け対象は、「天災融資法」が発動され、減収量が三割以上でかつ損失額が一割以上の農家。認定は市町村がおこない被害程度に応じて、金利が軽減されます。ただし法定金利は三%以内。

【自作農維持資金・林業経営安定資金】
 災害にともなって資金を必要とする農業者・林業者等への貸付制度。所得制限などはありません。申し込みは市町村の担当窓口。り災証明が必要です。