ケン・ソーン
 Ken Thorne

Date of Birth: 1924/1/26
Place of Birth: East Dereham, Norfolk, England, UK
Mini Biography:
Kenneth Thorne was born in England and raised in East Dereham, Norfolk. His paternal grandfather was conductor or the Dorset County orchestra and a Fellow of the Royal College for Organist. His uncle was also FRCO and doctor of music at both Durham and Oxford University. His mother had a beautiful voice and was well known in Norfolk County. He took up piano at the age of six and was accompanying for her from the age of nine. His first professional job as pianist was at age 16. A childhood bout with tuberculosis exempted him from the draft during World War II, enabling him to accept an offer to play piano with a swinging ensemble, for which he also arranged American big band pieces and composed his own music. When the group came to London, he began working in nightclubs, eventually forming his own band with Vic Lewis. They were hired to play on the soundtrack for "A Date with a Dream"(1948), for which Thorne also provided original music. Ten years of performing and arranging affected his health and he retreated to his family home in Cambridge at age 27. He spent five years studying composition, becoming an Associate of Leeds College as well as the Royal College of Music. He also studied organ and found himself in demand for commercial recordings when he returned to London in the mid-1950s. An offer to become arranger/orchestrator for film composer Philip Green proved more attractive, allowing Thorne to break out on his own. He drew the attention of Philip Martel, one of the busiest music supervisors in England, who hired Thorne and gave him a steady flow of assignments, finally leading to full original scores. Much of the early work was for BBC comedy series, one of which was "After Hours"(1959) starring Michael Bentine and directed by Richard Lester. Thorne became Lester's composer of choice, next collaborating with the director on "It's a Trad, Dad" in 1962. After Lester made his mark with "A Hard Day's Night"(1964), he turned to Thorne to supervise the music for "Help!"(1965). He also applied his skill at adaptation to his subsequent project with Lester, the film version of "A Funny Thing Happened on the Way to the Forum"(1966), for which he won an Academy Award. He worked steadily through the '60s and '70s, reuniting with Lester for "How I Won the War"(1967), "The Bed Sitting Room"(1969), Juggernaut"(1974), "Royal Flash"(1975) and "The Ritz"(1976). After "Superman II" and "III", he worked mostly in long-form television, both TV movies and miniseries.

 


(未公開)女ガンマン・皆殺しのメロディ   HANNIE CAULDER

作曲・指揮:ケン・ソーン
Composed and Conducted by KEN THORNE

演奏:ユーロピアン・スタジオ交響楽団
Performed by the European Studio Symphony Orchestra

(Promotional)

1971年製作のイギリス製ウエスタン。監督はバート・ケネディ。出演はラクエル・ウェルチ、ロバート・カルプ、アーネスト・ボーグナイン、ジャック・イーラム、ストローザー・マーティン、クリストファー・リー、ダイアナ・ドース、スティーヴン・ボイド他。ピーター・クーパーの原案を基にデヴィッド・ハフトとバート・ケネディが脚本を執筆。撮影はテッド・スケイフ。銀行を襲ったクレメンツ3兄弟(ボーグナイン、イーラム、マーティン)は、逃亡用の馬を盗むために町外れの牧場に向い、地主のクローデルを殺し、その妻ハニー(ウェルチ)をレイプして去っていく。復讐を誓う彼女は、賞金稼ぎのプライス(カルプ)から射撃を習い、2人でクレメンツたちを1人ずつ倒してゆく……。ボーグナイン、イーラム、マーティンの悪党3人組というのも凄いキャストだが、コミカルな演技をしているものの、やっていることが残虐なので笑いにならない。クリストファー・リーがハニーたちを助けるガンスミスの役で登場する。製作はイギリスの映画会社で、監督と主要なキャストはハリウッドの人材なのに、中身はマカロニウエスタン風という奇妙な作品。

音楽はイギリスのベテラン、ケン・ソーンが担当している。夫を殺され、レイプされた女性の復讐劇にしては明るいタッチのスコアで、特に冒頭の「Main Title」はマカロニウエスタンというよりはエルマー・バーンステイン調の軽快なメインテーマとなっている。この主題は「Aftermath」ではよりジェントルなタッチのアレンジ、「Falling in Love」ではラブテーマとして登場する。「Battle with the Bandits」「Tragic Gunfights」「Stalking / Final Showdown」等のアクションスコアも手堅い。「Farewell」はギターのイントロからオーケストラが美しく盛り上がる。

尚、このCDは「THE FILM MUSIC OF KEN THORNE Volume 1」というケン・ソーンのプロモーション用アルバムとなっており、「(TV)ノートルダムの鐘つき男/報われぬ愛の物語(THE HUNCHBACK OF NOTRE-DAME)」という1982年製作のTV映画に彼が作曲したスコアとカップリングとなっている。これはヴィクトル・ユーゴーの有名な原作をジョン・ゲイが脚色し、「爆走!」等のマイケル・タックナーが監督した作品で、アンソニー・ホプキンス、デレク・ジャコビ、デヴィッド・スーシェ、ジョン・ギールガッド、ロバート・パウエル、レスリー=アン・ダウン、ナイジェル・ホーソーンといった豪華キャストが出演した。ソーンの音楽は美しくトラジックなタッチの主人公のテーマが印象的なドラマティックスコア。

ケン・ソーンリチャード・レスター監督とのコラボレーションが多い作曲家だが、サントラ盤のリリースには恵まれていない。レスターとの付き合いで担当した「スーパーマンU/冒険篇」「スーパーマンV/電子の要塞」は一応サントラLPが出ていたが、ジョン・ウィリアムス作曲の主題曲だけが印象に残る平凡な出来だった。そんな訳で、この「女ガンマン・皆殺しのメロディ」を自らのプロモーション盤としてリリースしたいと考えた気持ちはよくわかる。個人的には、彼が「ジャガーノート」(1974)「パワープレイ」(1978)等サスペンス映画に作曲したハイテンションなスコアが一番優れていると思うが、これらは残念ながら 現時点でサントラ盤が出ていない。
(2001年12月)

Top


(未公開)アラビアン・アドベンチャー   ARABIAN ADVENTURE

作曲・指揮:ケン・ソーン
Composed and Conducted by KEN THORNE

演奏:ロンドン・スタジオ交響楽団・合唱団
Performed by the London Studio Symphony Orchestra & Chorus

(Promotional)

1978年製作のイギリス映画。監督はケヴィン・コナー。出演はクリストファー・リー、ミロ・オシア、オリヴァー・トビアス、ピーター・クッシング、キャプシーヌ、ミッキー・ルーニー、エマ・サムズ、プニート・シラ、ジョン・ワイマン、ジョン・ラッツェンバーガー、シェーン・リマー他。脚本はブライアン・ヘイルズ、撮影はアラン・ヒュームが担当。題名の通り「千一夜物語」をベースとしたファンタジーだが、ベテランのキャストで脇を固めている割には平凡な出来の作品。ハマー・フィルムのスターであるクリストファー・リーピーター・クッシングが共演しているが、クッシングは単なるゲスト出演でありこの2人は撮影中にセットで会うこともなかったという。因みに、この映画のプロデューサーのジョン・ダーク、監督のケヴィン・コナーとピーター・クッシングは、1976年にエドガー・ライス・バローズの原作を映画化した「地底探検(At the Earth's Core)」というSF映画をを製作している。

ケン・ソーン作曲の音楽は、特に際立ったものではないが題材にふさわしいソリッドでカラフルなオーケストラルスコアとなっている。「Dawn (Main Title)」はいかにもアラビア風のイントロからフルオーケストラによる壮大な主題へと展開。「The Marketplace」もアラビアの民族音楽調だが、この手の曲は誰が書いても同じような印象がある。「First Chase」「Palace Guards in Pursuit」はダイナミックなチェイス音楽。「Flying Carpet Take-Off」はドラマティックなフライングミュージック。「The Rebellion Begins」「Flying Carpet Dogfight」「Final Battle / Victory & End Title」といったクライマックスのアクションスコアの部分で同じフレーズの繰り返しが多いのが少し難点。

このCDは「THE FILM MUSIC OF KEN THORNE Volume 3」というサブタイトルの通り、ケン・ソーンのプロモーション盤の第3集となっているが、第1集と第2集は以下のような内容である(これらCDは作曲家自身とFord A. Thaxton、Luc Van de Venがプロデュースしている)。

「THE FILM MUSIC OF KEN THORNE Volume 1」
  Ken Thorne conducting the European Studio Symphony Orchestra
  ・HANNIE CAULDER (1971)   (未公開)女ガンマン・皆殺しのメロディ
  ・THE HUNCHBACK OF NOTRE-DAME (1983)  (TV)ノートルダムの鐘つき男/報われぬ愛の物語

「THE FILM MUSIC OF KEN THORNE Volume 2」
  Ken Thorne conducting the London Studio Symphony Orchestra
  ・MURPHY'S WAR (1971)   マーフィの戦い(テーマ音楽はジョン・バリー作曲)
  ・HELP! (1965)  HELP!四人はアイドル
  ・THE BED-SITTING ROOM (1969)   (未公開)不思議な世界・未来戦争の恐怖

(2001年12月)

Top


ジャガーノート JUGGERNAUT

作曲・指揮:ケン・ソーン
Composed and Conducted by KEN THORNE

(米Kritzerland / KR 20016-1)

1974年製作のイギリス映画(イギリス公開題名は「TERROR ON THE BRITANNIC」)。監督は「HELP!四人はアイドル」(1965)「ナック」(1965)「華やかな情事」(1968)「三銃士」(1973)「四銃士」(1974)「ロビンとマリアン」(1976)「スーパーマン II/冒険篇」(1981)等のリチャード・レスター。出演はリチャード・ハリス、オマー・シャリフ、デヴィッド・ヘミングス、アンソニー・ホプキンス、シャーリー・ナイト、イアン・ホルム、クリフトン・ジェームズ、ロイ・キニア、キャロライン・モーティマー、マーク・バーンズ、ジョン・ストライド、フレディ・ジョーンズ、ジュリアン・グローヴァー、ジャック・ワトソン、ロシャン・セス、ケネス・コリー、サイモン・マッコーキンデイル、シリル・キューザック、マイケル・ホーダーン他。製作・脚本はリチャード・デコーカー(リチャード・アラン・シモンズ)。撮影はジェリー・フィッシャー。1200人の船客を乗せて荒れ狂う北大西洋を進む豪華客船ブリタニック号に時限爆弾を仕掛けたとの脅迫電話が船会社に入る。“ジャガーノート”と名乗るその謎の男は、指示通りにしなければ明日の夜明けに船が木ッ葉微塵になると告げ、50万ポンドを要求してくる。政府は身代金を払わず爆発物処理班を投入するとの方針を打ち出し、ブリタニック号に妻子が乗っているジョン・マクロード警視(ホプキンス)に捜査を命ずると同時に、アンソニー・ファロン中佐(ハリス)率いる爆発物処理班を船に送り込む……。ラストの、赤と青のコードのどちらを切るか(どちらかがトラップ回線で、正しいコードを切ると爆弾が無力化するが、誤ったコードを切ると爆発する)というサスペンスが秀逸。爆弾の恐怖を描いたサスペンス映画の代表的傑作で、全体に抑制されたトーンがいかにもイギリス映画らしく、ソリッドなキャストも素晴らしい。日本でのテレビ放映時の日本語吹替キャストは、リチャード・ハリス(森川公也)、オマー・シャリフ(小林 修)、デヴィッド・ヘミングス(徳丸 完)、アンソニー・ホプキンス(阪 脩)、シャーリー・ナイト(杉田郁子)、イアン・ホルム(矢田耕司)、クリフトン・ジェームス(村松康雄)、ロイ・キニア(今西正男)、フレディ・ジョーンズ(上田敏也)他だった。

音楽は、リチャード・レスター監督と「HELP!四人はアイドル」(1965)「ローマで起った奇妙な出来事」(1966)「(未公開)ジョン・レノンの僕の戦争」(1967)「(未公開)不思議な世界・未来戦争の恐怖」(1969)「スーパーマン II/冒険篇」(1981)「スーパーマン III/電子の要塞」(1983)「(未公開)マネーハンティングUSA/500万ドルを追いかけろ」(1984)等でも組んでいるイギリスの作曲家ケン・ソーン(1924〜)が担当。「Fallon」は、不吉なイントロから抑制されたサスペンス音楽へ展開。「Rough Seas / Coming Aboard」は、短いファンファーレの主題からサスペンス音楽、後半ミリタリスティックでダイナミックな主題へと展開。「Deck Chair Conversation」「A Speck of Dust in the Eye of the Universe」は、ピアノをフィーチャーしたメランコリックなメインの主題。「The Bombs」は、ミリタリスティックでサスペンスフルな曲。「Fallon and the Bomb / Get Me Buckland!」も、ハイテンションなサスペンス音楽。「Red Wire/Blue Wire?」は、「赤と青のどちらのコードを切るか」というクライマックスでの抑制されたサスペンス音楽。「End Titles」は、メインの主題のリプライズによるメランコリックなエンドタイトル。最後にソース音楽のボーナストラックを3曲(「Source Music 1」「Backstage at the Ballet」「Source Music 2」)収録。「パワープレイ」と並ぶケン・ソーンの傑作サスペンス・スコアで、ピンと張り詰めた緊迫感が見事。全8曲の短いスコアだが、これでコンプリート。劇中でも効果的にサスペンスを盛り上げていた。今のハリウッド大作のように最初から最後まで音楽が鳴りまくっていなくても十分にドラマをサポートできるというお手本のような作品。これは、作曲家自身が個人保有していたオリジナルスコアのテープをCD化したものだが、エンドタイトルのみはそのテープに含まれていなかったため、DVDの音源を利用している(よって冒頭に波の音のSEが少し入っている)。
同じリチャード・レスター監督の「(未公開)不思議な世界・未来戦争の恐怖(THE BED-SITTING ROOM)」(1969/出演:ラルフ・リチャードソン、リタ・トゥシンハム、ピーター・クック、ダドリー・ムーア、マイケル・ホーダーン他)にケン・ソーンが作曲した牧歌的でコミカルなスコアとのカップリングとなっている。1000枚限定プレス。

ケン・ソーンが手がけた作品には「(未公開)The Clouded Crystal」(1948)「(未公開)おかしなおかしなお金持ち(Three on a Spree)」(1961)「(未公開)Ring-a-Ding Rhythm!」(1962)「(未公開)She Knows, Y'Know」(1962)「(未公開)Dead Man's Evidence」(1962)「(未公開)Fog for a Killer」(1962)「(未公開)Master Spy」(1964)「(未公開/TV)R3」(1964〜1965)「HELP!四人はアイドル(Help!)」(1965)「ローマで起った奇妙な出来事(A Funny Thing Happened on the Way to the Forum)」(1966)「(未公開)ジョン・レノンの僕の戦争(How I Won the War)」(1967)「クルーゾー警部(Inspector Clouseau)」(1968)「タッチャブル(The Touchables)」(1968)「(未公開)西部野郎奮戦記(A Talent for Loving)」(1969)「華麗なる悪(Sinful Davey)」(1969)「(未公開)不思議な世界・未来戦争の恐怖(The Bed Sitting Room)」(1969)「マジック・クリスチャン(The Magic Christian)」(1969)「マーフィの戦い(Murphy's War)」(1971)「(未公開)Welcome to the Club」(1971)「(未公開)女ガンマン・皆殺しのメロディ(Hannie Caulder)」(1971)「(TV)ダンディ2 華麗な冒険(The Persuaders!)」(1971〜1972)「(未公開/TV)The Zoo Gang - Revenge: Post Dated, - African Misfire」(1974)「ジャガーノート(Terror on the Britannic, aka Juggernaut)」(1974)「(未公開)Assault on Agathon」(1975)「ローヤル・フラッシュ(Royal Flash)」(1975)「(未公開)London Conspiracy」(1976)「(未公開)The Ritz」(1976)「(未公開)Wolf Lake」(1978)「パワープレイ(Power Play)」(1978)「(未公開)Arabian Adventure」(1979)「(未公開)The Outsider」(1980)「スーパーマン II/冒険篇(Superman II)」(1980)「(TV)ノートルダムの鐘つき男/報われぬ愛の物語(Hallmark Hall of Fame - The Hunchback of Notre Dame)」(1982)「(未公開)ゴースト・イン・京都(The House Where Evil Dwells)」(1982)「(TV)激流の反乱(White Water Rebels)」(1983)「スーパーマン III/電子の要塞(Superman III)」(1983)「(未公開)Lassiter」(1984)「地獄で眠れ(The Evil That Men Do)」(1984)「(未公開)マネーハンティングUSA/500万ドルを追いかけろ(Finders Keepers)」(1984)「(未公開/TV)My Wicked, Wicked Ways... The Legend of Errol Flynn」(1985)「プロテクター(The Protector)」(1985)「(TV)パパとママ!!ぼくの小さなプレゼント(Lost in London)」(1985)「(TV)帰ってきたシャーロック・ホームズ(The Return of Sherlock Holmes)」(1987)「(未公開/TV)If It's Tuesday, It Still Must Be Belgium」(1987)「(未公開)The Trouble with Spies」(1987)「(未公開/TV)悪女からのラブコール(Personals)」(1990)「(未公開/TV)Bejewelled」(1991)「(TV)大いなる遺産(Great Expectations - Chapter One)」(1991)「(未公開/TV)Spies」(1992)「(未公開/TV)Age of Treason」(1993)「(TV)ダイアナ妃の真実(Diana: Her True Story)」(1993)「(未公開)ハードラック(Sunset Grill)」(1993)「(未公開/TV)リーサル・プロット/謎の暗殺命令(Lethal Exposure)」(1993)「(未公開/TV)Return to Lonesome Dove」(1993)「(未公開/TV)A Season of Hope」(1995)「(未公開/TV)Liz: The Elizabeth Taylor Story」(1995)「(TV)ポイズン(Escape Clause)」(1996)「(TV)アポカリプス・ウォッチ/陰謀の黙示録(The Apocalypse Watch)」(1997)「(TV)聖母マリア(Mary, Mother of Jesus)」(1999)「(TV)イン・ザ・ビギニング(In the Beginning)」(2000)「(未公開/TV)Santa, Jr.」(2002)「(未公開/TV)Love Comes Softly」(2003)「(TV)マルコ・ポーロ/東方見聞録(Marco Polo)」(2007)等がある。
ケン・ソーンは1966年の「ローマで起った奇妙な出来事」でアカデミー賞の音楽(編曲賞)を受賞している。
(2010年8月)

Top


Film Music Composersへ戻る


Copyright (C) 2001 - 2010  Hitoshi Sakagami.  All Rights Reserved.