伝統のかぶせ釣りとは

かぶせ釣りをバイキング筏44で楽しむ

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サイト更新日 2017-02-19

発信地:広島県 広島市  since 2004/5/11 ©K.Hosohara

伝統のかぶせ釣りとは

かぶせ釣りは、広島県西部の広島湾一帯が発祥の地で、養殖カキ筏に和船を係留して釣る一種の掛かり釣りです。

波による船の上下動を抑えて微妙な当たりを捉えるためと、船とカキ筏の間に仕掛けを投入するスペースを確保するために、船べりとカキ筏の間に太い竹ざおを渡して船を固定するのが、かぶせ釣りの大きな特徴です。

このサイトでご紹介している、竿を用いて波止などで釣る方法は、随分とアレンジしていて、もはや広島の伝統的なかぶせ釣りなどと呼べる代物ではありません。

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右側の和船がかぶせ釣りをしています。船の右にある筏に竹を2本伸ばし、リジッドに固定しています。左奥の船はかぶせ釣りではないので、船とカキ筏との間にフェンダー(オレンジ色の浮き)を噛ませてフレキシブルに係留ロープで留めています(広島市南区似島北西の海上にて)。クリックで拡大します

伝統のかぶせ釣りは、道糸にナイロンラインを用い、道糸に通したゴム管で当たりを取る手釣りです。船は竹で筏に固定しているとはいえ、それでも上下動して揺れるので、当たりは取り辛いです。

また、筆者が今やっているタックルだと、当たりを正確に捉え、前あたり・本あたりが忠実に穂先に現れますが、伝統のかぶせ釣りでは、ラインが海中で大きくフケて出ており、魚の当たりはずいぶん遅れて弱々しく現れることが多く、ゴム管に小さな変化が出るやいなや、直ぐに大きく合わせなければ魚は掛かりません。

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筆者が以前愛用していた籘枠とナイロンラーヂ3号。黄緑色のゴム管が通してあります。

さて、筏の設置場所にもよりますが、大型のタイが釣れるような、深くて(30mを越すこともある)、潮流が異常にきつい釣り場があります。そのようなシビアなポイントでは、さらに糸がふけてラインが必要以上に出てしまい、カキが着底しているにもかかわらず、それがわからないことが多々あります。

ですから、「かぶせ釣りは底がとれるようになったら一人前」といわれるほど難しい釣りで、筆者もずいぶん苦労しました。波止しか経験のない人が、潮が緩くて揺れが殆どない場所で、道具と動作だけ真似して釣っても、伝統のかぶせ釣りをマスターしたことにはなりません。

しかしそのような、ややもすると下積み経験を美徳とさえするような閉鎖体質な釣り(ちょっと言い過ぎですが)は、筏用片軸リールによって一蹴されたといえます。「イカダ竿+筏用片軸リール+極細PE」の組み合わせなら、どんなタフコンディションのカキ筏であっても、底を取ることができます。

船を筏に掛けての「ゴム管+ナイロンライン」、すなわち広島の伝統的なかぶせ釣りは、感度の良い釣り具が無かった時代の遺物であり、ノスタルジックではあっても効率的な釣り方ではなく、もはや時代遅れの感は否めません。