10th Day Jun 5 (Sat)  Mil anoV〜Osaka
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 D ホテル・サンカルロ
僕らはイタリアを北回りで移動した。その理由は、アリタリアの国際便がミラノ・マルペンサ発だからである。ローマで最終日を迎えると、マルペンサまで国内便で移動する必要があり、それが遅れれば予定の国際便に乗れなくなるといったトラブルが起こる可能性をできるだけ排除しておくためだった。ローマ発の場合は朝9時30分には市内を発つ必要がある。僕らはすでにミラノに居るので、出発までおまけの時間がある。
 裕子サンに、どこか行きたいところはないかと聞くと、「もう一度ピエタが見たい」と。よし、わかった。ゆっくり目に朝食を食べ、フロントでチェック・アウトの時限が12時だと確認してホテルを出た。
 
 D 地下鉄
ミラノ中央駅からランツァへ。改札(といっても、検札はなく、単なる出口)を出たところの売店で帰りの分の地下鉄切符を買う。
 
 B センピオーネ公園
昨日訪れたスフォルツェスコ城にまた来た。僕らは城の外壁に沿って北西に歩き、広大なセンピオーネ公園に着いた。朝の公園は静かで、時折り巡回のパトカーが通るくらい。僕らは考古美術館の前を通って、公園の真中にある池を大回りで一周した。遠くに平和の門が見える。パリのチュイルリ公園にある凱旋門とよく似ている。城へは北口から入った。
 
 B スフォルツェスコ城
さっき公園で見かけた騎馬警官が2人場内に入ってきた。栗毛の美しい馬は石畳にポコポコと蹄の音を響かせている。至近距離から写真を撮って、シマッタ! カメラをオート設定にしていたため、フラッシュをたいてしまった。けれど、馬たちはよほど鍛えられているのか、慣れっこなのかカメラのフラッシュにも全然動じなかった。
 付属博物館が開く9時までの間、前庭の石のベンチに腰掛けてぼーっと過ごした。
 城の中は薄暗くひんやりしている。僕らは木の長いすに座ったまま、ミケランジェロの彫刻をずっと見ていた。
 
 AA サン・シンプリチャーノ教会
ここが最後の訪問場所となった。ファザード中央に開いた、ステンドグラスのバラ窓がきれいだ。外観こそゴテゴテのゴシック様式ではあるが、実は質素で、地元住民に馴染んだ教会といえる。帰国してから気付くのだが、観光案内の本にはサン・シンプリチャーノ教会のファサードはロマネスク様式とある。別の教会とまちがえたのだろうか。
 
 D ホテル・サンカルロ
ホテルに戻ると、ちょうど清掃しているところで、終わりかけだった。
 ベッドメイキングにチップを置くことの善し悪しは意見の分かれるところだろう。ただ、僕らは気持ち良く過ごせることへの感謝の意味で毎日小額を置いておいた。
 ベッドにゴロンと横になり、送迎車が来る時間を待った。何度も云っているように、個人旅行のため、2重、3重の安全に心掛けた。そのため、ローマで帰国便のリコンファームに手間取ったのだが仕方ない。もし、送迎車がこなかったら、という対策はいくつか考えておいた。こんなこと考えているとけっこう疲れる。送迎車を手配しなくとも済んだのだが、これも安全を買ったと思えば安いもの。
 
 D ホテル〜空港
送迎車との待ち合わせ場所はホテル・ロビー。予定の10分前にチェック・アウトしているところに、カッコイイお兄さんがやってきて、フロントにこの人を迎えに来たんだがと云う。「あっ、それは僕のことです」。ホテル前でちょっと待ってと、彼は車を取りに行き、回されてきた車は、なんと黒塗りのリムジン。僕らのような貧乏人には不釣合いだなぁ。そういえば、フィウミチーノからローマへ送ってくれた車にしても、リムジンじゃないにしろ、新しい高級車だったな。
 今回の運転手は寡黙で、ローマまで案内してくれた彼とは正反対。そういえば、バウチャーを渡していない。信号待ちで「ミスター・ドライバー?」と、声を掛け、予約を確認して欲しいとバウチャーを渡すと、チラッとその内容をみて、「マルペンサでよろしいですね」とだけ云って、バウチャー自体を返してくれた。バウチャーは不要なのだろうか。まぁ、ちゃんと空港へさえ連れて行ってもらえれば何の問題もないのだが。
 車は高速に乗り、ぐんぐんスピードを上げる。時間の余裕はあるのだ。こんなに飛ばしても飛行機は逃げていかないよ。マルペンサに着くと、いくらかのチップを渡す。ようやく自分から口を開いた、「グラッツィエ」。無口だったれど、誠実そうな青年だった。
 
 D 空港出発ホール
空港内には航空便の発着とチェックインの状況がディスプレイで示されている。TOKYO・NRT行きのJLとAZはチェックインを行っている。僕らは椅子に座って少しの間、チェックイン開始を待っていたら、日本のツアーの添乗さんが NRTのボーディング・パスをツアー客に配りながら免税手続きについて説明している。彼らはまとまって席を立ち、ぞろぞろと歩き始めた。ふむふむ、税関はあっちにあるのか。そして、OSAKA・KIX便のチェックイン・カウンターを確認しておこうと、どうせNRT行きの隣には あるに違いないと予想して行ってみる。なんと受付中ではないか。なんたるアバウト。さっそく裕子サンが待つベンチに戻って荷物を持ってきて短い列に並んだ。
 さすがに、KIX行きのカウンターには日本人のスタッフがいる。座席指定は簡単に出来そうだ、と思いきや彼女は僕らの順番になっていなくなってしまった。お陰でつたない英語と絵で、希望の席をとった。2人並びで喫煙で、トイレに行きやすい席をゲットした。チェックインは早いに限るネ。マイレージもOK。
 さて、免税手続き。4年前にシャルル・ド・ゴール・エアロガル2で一度は経験済み。僕たちの場合は免税商品は機内預けとせず、手荷物として税関に持って行き、パスポート、ボーディング・パス、免税書類、未使用の現物を見せて、書類に確認スタンプをもらう。ここまでは順調だった。免税の方法は2種類あることは先出のとおり。VAT (付加価値税) を差し引いて品物を買った場合は、免税書類をその店宛に郵送する。VAT込みで支払い、あとで換金を受ける場合の方法は3つある。いずれもスイスにあるグローバル・ リファウンドという会社がEC内VATの換金処理をおこなっている。@空港のキャッシュ・リファウンドカウンターで現地通貨に換金、A成田や関空にあるキャッシュ・リファウンドカウンターで直接円に換金、B専用封筒に入れてスイスのグローバル・リファウンドへ送付、ただしカード購入の場合のみ。僕らは店への返信と、Bの郵送を選んだ。税関横のソファーで封筒をなめて糊付けするのだが、うまくいかない。横にあるゴミ箱にはその封筒がたくさん捨ててある。おかしいな、と思った。空港の施設見取り図にポストを探すが見当たらない。そこでアリタリア・カウンターに戻ってスタッフにポストの場所を教えてもらい、お店宛の手紙をポストに入れる。と、同時に、マルペンサではパスポート・コントロールを出てから、カードへの換金のための専用カウンターがあるとのこと。第4の方法を教えてくれたお姉さんに感謝。こんなことは、添乗さんがいるツアーならごく当たり前に教えてもらえるのに。
 
 D 出発ロビー・搭乗ロビー
手荷物検査と出国手続きを済ませて搭乗ロビーへ。僕らが関空から到着したBウィングからAZ794が1430に出発する。アリタリア・スタッフの指示通り、カードへの免税額入金の手続きをする。手数料を取られて、どれだけ戻ってくることやら。日本行きの3便がこ の時間に集中するため、免税店は恐ろしいくらいの日本人の数で、レジは長蛇の列。それを見たら買物する気がなくなって、すぐさま搭乗ゲートへ移動した。
 館内放送が流れる。JL、AZともにNRT行きは遅れるとのこと。後発である僕らのKIX行きは当然そのあと。ゲート周辺は日本人だらけ。どの機も満席のようだ。
 裕子サンは、ゲート前の小さな売店で、残った小銭を集めてチョコレートを買う。確かに街中より若干安い。また、暇なものだから克サンがBウィングをうろうろしているとバールの前に、スナック菓子や小さなチョコを売っている。これを裕子サンに伝えると、彼女は2回に分けて、お菓子を買ってきた。彼女が自分だけの力で買物をしたのは、ナポリのマクドナルドとここだけだった。
 あまりにも待ち時間が長いので、克サンは搭乗ロビーに戻って免税店をのぞいてみた。つわものどもが去ったあとの店内はガラガラ。ガムのセットをいくつか買った。ゲートに戻ると、ちょうど搭乗を始めたところだった。
 
 D ミラノ〜関空 (AZ794)
予想通り、機内は満席。1席の余りもなくすし詰め。だから来たときと違って騒がしいこと。こりゃ、寝て行くしかないな。来るときは映していなかったフライト・ナビゲータを見るのはおもしろい。この飛行機はシベリアを横切って、沿海州から日本海を南下して関 空に着くものと思っていた。確かに以前はそうだった。しかし、実際はシベリアから南へ下りて、北京、黄海、ソウルの上を通って遠回りせずに関空に直接乗り入れる。
 海外旅行の帰国便では寝るのが相場。かつてアメリカ西海岸やパリのときも帰りの機内では食事以外はほとんど寝ていた。けれど、今回は10時間余りのフライトで2時間程度しか眠れなかった。来たときよりも短い。裕子サンには申し訳ないと思うが、喫煙席がとれてよかった。満席のため喫煙のための空き席は用意されていない。また、同じ連れでも、あとからチェックインしたグループは席がバラバラになっているようだ。ふたつ後ろの席で男性が、酔っ払って (正気だとすれば頭がおかしい) 添乗員らしき女性にからんでいる。意味としては、「この便が満席だって予想できただろ。それなら早めに手続きをすれば仲間と離れなくてよかったん だ。どーしてくれるんだ。あーだ。こーだ」。みんな気分はよくない。また、僕らの後ろの席は若い女の子の2人連れで、席をガタッと動かしでもしたんだろう。その男性 (50才くらいのいい年なのに) は、今度は女の子を叱りはじめた。女の子の1人がちょ っと口ごたえしたものだから、彼はまた怒って云い返す。
 こんなこともある。僕らは通路に挟まれた4人席に、克サン、裕子サン、高齢の女性、45位の男性の順で座っていた。その婦人のご主人はすぐ後ろの座席に座っている。トイレに立つときに、腰を上げて隣の男性の顔をのぞき見るのだが、彼は知らん振り。そこで、彼女は僕たち夫婦にペコリと頭を下げるのだ。席を立つのはお安いご用。また、当然のことに決まっている。しかし結局のところ、端に座る男性が席を立ってご婦人を通す姿は見なかった。こうやって席を立つことや、後ろの女の子たちが荷物を上げられなくって困っていたら手伝ってあげるし、飛行機が到着した際に、人が荷物をとりそこなって克サンの頭を直撃し、メガネがぶっ飛んで探すのに苦労しても怒ってはいけない。旅では、「あること」なのだ。僕が正しくて誰かがまちがっている、と云い切るつもりはない。ただ、僕らだったら、自分のために周りが迷惑していると感じたら自分の旅自体が楽しくなくなってしまう。しかし、どーもそれは日本人の共通認識ではない ようだ。こう思うと少しさびしい気になる。
 機内販売のお知らせがあったので、土産でまだ買い足りなかったものを補充するため、真っ先に飛び出した。そんなことで長く待つの嫌なのだ。だいたい、こんな買物が嫌いな克サンにしてはよくやるよ。フェラガモのスカーフ留めは2個しかなくて、スチュワーデスは前でやっている販売所にまだあるかどーか聞いてみて、と。Cクラスへ行ったところ販売中で、声を掛ける雰囲気じゃない。あきらめた。席に戻って商品を見ると傷がけっこうついている。入れ物も汚れ気味。ガタガタ揺れる機内に置いてあるのだから仕方ないか。ここで断っておくが、フェラガモに対して特別のブランド意識を持っている訳ではない。偶然が重なったのだ。
 映画の途中に飲み物をもらいにいった。コーラをもらったら、サンドイッチもすすめ てくれる。裕子サンの分ももらって席に戻ろうとしたら、さっきの機内販売のスチュワーデスに 会い、声を掛けてくれた。彼女は日本人なので日本語で「欲しいものはみつかりましたか」。探 すのをやめた事情を話すと、席番を聞いて、あとから連絡してくれるとのこと。しばらくして彼 女が呼びに来て、商品を買った。ビジネスとはいえ、親切にしてくれたことに感謝。品物にはや はりキズがついていた。だいたいが、克サンは買物が嫌いなのだが、我慢してお土産を揃えたの は、11日という休暇を取るにあたり支えてくれたひとがいかに多かったかということだろう。 サンドイッチはまずかった。何でも食べそうな克サンにして一口もお腹に入らなかった。
 

Next Day

 

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