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巣内ヒナのケア

Care of Nestlings

 巣内ヒナを収容することはあまりないと思いますが、収容した場合は特別な注意が必要となります。人への刷り込みを防ぎ、野生復帰まで持っていくとなると、経験のない個人では手に負えないので専門施設などにゆだねることをお勧めします。ここでは、どのようなケアが必要かを、参考までに紹介しておきます。

  目次
  ☆ヒナの収容ケージや保温は?
   ☆ヒナの餌はどうすればよい?
   ☆人への刷り込みを防ぐには?
   ☆巣から落ちたヒナ(巣内ヒナ)を巣に戻すには?

最終更新日:'99.12.21.


ヒナの収容ケージや保温は?

 綿羽が殆どなくて羽根のほぼ生え揃ったような巣立ちの近いヒナは、成鳥を収容するのと同じようなケージで大丈夫です。しかし、全身綿羽に覆われたような日齢の浅いヒナは特別の配慮が必要です。
 孵化後数日というようなヒナは、カップ麺の容器やプラスチック製のボールに、細い短冊状に切ったペーパータオルなどを敷き詰めた所に入れます。こうすると、排泄物がヒナを汚すことが少なくなります。この容器ごとインキュベーター等(あれば)に入れて、外気温を35度に保つようにします。
 もう少し大きくなったヒナは、プラスチック製の水槽などに玉砂利を入れて、そこにタオルで包んだヒーティングパッドを斜めに埋め込んだ所に収容すると良いでしょう。外気温は30〜32度くらいが目安です。適切な温度であれば、ヒナは大人しく座っていますが、暑すぎると立ち上がって翼を体から離すようにして広げ、寒いとうずくまってヒナ同士でかたまります。
 表面の滑らかなところにヒナを置くと、足の正常な発達をさまたげるので、玉砂利など多少凹凸のあるところで育雛することが必要です。

ヒナの餌はどうすればよい?

 孵化後2、3日のヒナには、ウズラやラットなどの筋肉、肝臓、心臓をフードプロセッサーなどで細かくしたものにミネラル剤を添加したものを与えます。水分が足りないと飲み込みづらいので、そのような場合はごく少量の水を加えて下さい。
 孵化後3日目以降は、皮膚をむいたラットやマウス、ウズラなどの消化管を取り除き、小さな骨は残して、同様にフードプロセッサーにかけ餌を作ります。ミネラル剤も添加して下さい。このえさで、ハヤブサなどでは孵化後7、8日ぐらいまで育てます。以降は、小さい骨付きの筋肉や内臓を細かく切ったものに変え、それに皮膚や毛なども徐々に加え、最終的には動物丸ごとを与えることになります。
 餌には屠殺後すぐの新鮮な材料を用います。余った分は板状に伸ばしたり、1回分ずつにわけて冷凍保存すると良いでしょう。但し、解凍したものを再冷凍して保存しなで下さい。
 与える餌は人肌程度に温めて、決して冷たいものは与えないで下さい。消化不良をおこします。また、腹部が適度に温かいと消化管の動きが良くなり、消化を促進します。ですから、ヒナをヒーティングパッドで下から温める(ヒナの保温を参照)のはこの点でも良いことです。
 餌を与える頻度は、孵化後数日は、小型猛禽で1日5回、中型で1日4回が目安でしょう。ヒナが大きくなるにつれて頻度を減らしていきます。一度に多くの餌を与えすぎないことが大切です。食滞や消化不良で死に至ることもあります。そ嚢の餌がきちんと胃へ送られているか、定期的に糞をしているかを確かめながら給餌しましょう。

人への刷り込みを防ぐには?

 刷り込みの起こる時期は種によって異なりますが、例えばハヤブサなどでは、孵化後7日目くらいから始まるようです。フクロウ類は、頭部をまわすように動かして焦点をあわせようとする行動が見られるようになると、刷り込みが起こるようです。しかし、巣立ち後であっても性成熟に達する前に人のケアを受けると、性的刷り込みが行われた例もあるようです。
 同じ巣から複数のヒナを保護した場合などは、ヒナを一緒に飼育することで、人の姿を見せなければ、ヒナ同士がお互いの姿を見てその種として刷り込まれます。刷り込みの時期になったら人から隔離し、餌をやる時も暗いところで人の姿を見せないで行ったり、親鳥をまねて作ったパペットを用いて給餌するなどします。
 単独で保護されたヒナは、パペットなどを用いてその種として刷り込む必要があるでしょう。もし、育雛の経験のある同種の成鳥がいたら、里親として育てさせる方法もあります。

巣から落ちたヒナ(巣内ヒナ)を巣に戻すには?

 巣の場所が確認できて、かつ、巣が壊れたりしていない場合には、まず、その巣へヒナを戻すことを試みて下さい。鳥は嗅覚が発達していないので、人の臭いがついたからといってヒナを拒絶するようなことはありません。
 巣が壊れていたり、巣に近付くことが困難だったりする場合には、人工的に作った巣を元の巣に近いところに設置して、ヒナを入れてやる方法を試して下さい。親鳥がヒナを認識したら、給餌などの育雛を再開します。新しく巣を設置する場合は、できるだけ元の巣に近く(例えば隣の木など)、そして高さも同じような高さにするのが無難でしょう(地上で営巣する種はもちろん地上に)。あまり低すぎると、ヒナが天敵に襲われることがあります。
 巣を作る場合、洞穴で営巣するものには木製の巣箱を用意します。樹上で営巣するものにはプラスチック製の丈夫なメッシュなどを浅い漏斗状にし、その中に木の枝などを入れてやります。底はメッシュにしておかないと雨水などが溜まるので注意して下さい。
 巣の場所が分からない場合には、人の手元で育てる(里親を使用することも含めて)か、もうひとつ「野生の」里親を探すというオプションもあります。もし、同種の別のペアが営巣していて、ヒナの日齢が近ければ、別の巣から落ちたヒナをいれてもたいていの場合は育ててくれます。しかし、そのような巣を見つけるのは簡単ではありませんし、また、種にもよりますが1つの巣に多くのヒナを入れることはできません(たいてい1羽)。さらに、その年の餌が少なければ里親となるペアにプレッシャーがかかるので、この方法は難しいと言えるでしょう。

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