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(仲村佳樹/白泉社花とゆめコミックス・1巻〜)

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Story

芸能人になる夢を目指し、京都から東京にやって来た少年、不破尚と共に、その幼なじみ・最上キョーコは東京にやってくる。
高校にも行かず、おしゃれも出来ず、バイトに追われる日々。しかしキョーコには、尚を支えているという充実感があった。
が。
キョーコは、尚が、彼女の想いなど構いもせず家政婦がわりに京都から連れ出した事を、「地味でつまらない」キョーコを棄て別の女を選んだ事を知り、激怒する。
もはやキョーコの封印は解かれた!尚に棄てられたキョーコは尚への復讐のため、髪を染め、芸能界のトップを目指す!

Impression

絵柄は美麗。ヒロイン・キョーコもかわいい。シリアスなドラマも、心を打つ名ゼリフもある。コメディ要素もたっぷりだ。
と、こう書けば傑作なんですが。
この作品のポイントはなんといってもヒロイン・キョーコのテンションの高さ。情念と怨念がほとばしり、内面描写が姿形を纏って画面を駆けめぐり、気迫がページを席巻する、その凄まじさ!
キョーコが般若の、夜叉の、悪鬼の形相で立ち上がり、虚空に吠え、悪魔キョーコ、怨念キョーコといったちびキャラが画面をおどろおどろしく飛び回り、憎しみのオーラがページを黒く染める!
そしてそれが、前段で書いた傑作要素を凌駕し、圧倒し、濁流のように押し流してしまうのです!
凡百の「傑作」にはない個性がある、ハイテンション・リベンジストーリー。そのテンションの高さゆえに、読む、見る、楽しむ、その前に押し流されてしまい、ひたすら笑い転げてしまう、猛烈な作品世界がなんともすごいのです!

Kyoko Mogami

第1話では、献身的で古風な黒髪少女として登場。「変身」を遂げたあとは茶髪ショートカットの活発少女に。黒髪萌え&ショートカット党の私としては、「いーじゃないですか」というところなんですが、キョーコちゃんの場合は、尚に復讐宣言した時の、椹につきまとったときの、暗黒オーラをまとい、ほとんど白眼になってすごんだ表情の方が印象に残ってしまいます。
ほんとはおしゃれも流行も、愛さえも知らずに生きて来た、健気で不幸な少女なんですけどね。そんなところが表に出てこないのが、彼女の持ち味でして。
そんな彼女が心から笑えるのはいつになるのか。気になりますね。

Charactor

少女マンガですからね。「花とゆめ」ですからね。
美形男性キャラが目白押しなのです。
しかし、キョーコがリベンジを目指す不破尚はちょっとガキっぽい感じがありますし、敦賀蓮は少し大人っぽくミステリアスなムードはあるけどイマイチ物足りない。椹さんは大人だけど疲れちゃってるし(笑)。
・・・・・・とゆーか、みんなLMEプロ社長・ローリィ宝田のインパクトに完全に食われちゃってます。いきなりサンバのリズムに乗って現れた、ラテンの権化、歩くカーニバル。アディオスアミーゴ、セニョールセニョリータな彼のノリにはキョーコですら霞んでしまうほど。
マンガに出てくる芸能プロダクションと言えば、確かに「クセ者」というのが定番ですが、はっきりいってやり過ぎです(褒めてるんです、一応)。
マトモな大人ではキョーコを暖かく、厳しく見守る頑固者、だるまやの大将の存在も忘れられません。

Guide

無駄に高いテンションと、書き文字の多いちょっと煩わしいタイプの画面、絵柄の系統もあって、かなり「濃い」というかくどいイメージのある少女マンガだと思います。ちょっと好みは分かれるでしょうね。

2002.10